不入山(いらずやま) 〜 権田山 縦走 2009/10/4 
里山倶楽部四国編
四季美谷温泉 山と花と温泉ツアー

− 不入山 〜 久井谷山 〜 折宇谷山 〜 権田山  −

「槍戸アルプス」縦走

不入山から縦走して権田山の夫婦ブナに会いに行きたいなと思っていた。

今年の春に、四季美谷温泉のツアーを申し込んだが満員で参加できなかった。

ブナの黄葉が綺麗な時期にまたツアーがあるだろうと思っていた。

しかし、今年は早く開催される事を知った。

困った!私は友人とずいぶん前からゴルフの約束をしている。

家内に言うと機嫌が悪い。

友人に大きな借りをしてゴルフをキャンセル。

何とか申し込む事が出来た。



いつもの様に大釜の滝を過ぎて四季美谷温泉到着。

今日は37名の参加で二台のバスに分乗。

槍戸川沿いの道を、ガリガリと腹をこすりながらバスは進んでいく。



次郎笈が目の前に飛び出すと山の家 奥槍戸に到着。

小屋は閉まっている。

四季美谷温泉から1時間10分程掛かった。



ヤマボウシに赤い実がなっている。

美味しいと聞いている。

一ついただいたが、柔らかなゼリーの様でほんのりと甘い。

ちょっとぐちゃっとした感じもする。



いつもの様に自己紹介と準備体操。

今日も剣山クラブのメンバーがサポートしてくれるみたいだ。

温泉の支配人地下足袋王子の平井さんから、今日歩く従走路は「槍戸アルプス」と呼ぶ事になったと話がある。

鎌倉アルプス」「沼津アルプス」「三浦アルプス」など懐かしいなあ。

バスは、先日の平家平で先導してくれた剣山クラブの男性が勘場谷まで運転し中内山で合流する予定。

9時50分遊歩道登山口から出発。



1646m峰の北東側を巻いていく。



10分程で、久留ノ太尾休憩所の熊の看板通過。

池の休憩所?

何処かに池があるのかな?



尾根に乗ると石立山が右手に見える。

その右には高ノ瀬から丸石に続く稜線。

右端の笹で薄い緑に見えるのが丸石か。



笹は殆ど枯れている。

緑の芽が少し出ているが再生するのは何時の日か。



ブナやリョウブ、ナツツバキの緑が美しい。

黄葉はもう少し先かな?

元気娘のクミちゃんがウサギの様に飛び跳ねて追い抜いていく。



立派なリョウブの木



37名ともなると長い行列だなあ!

右に新九郎山1635mが見えてくる。



ナナカマドはまだ紅葉していない。よそに比べて遅い様な気がする。

赤い実が綺麗。

大きく道が広がって広場に着く。

10時10分



素晴らしい千手観音ブナが待っていてくれた。

此処でしばらく休憩。



徳島のブナは低く枝を大きく広げる事が特徴。

関東や東北(白神山地)等のブナはすらっと真っ直ぐに立つ。

特にこの山系のブナは枝が大きく広がって見事。



何で山の上にこんな平原があるのか不思議な気がする。

ここから新九郎山への分岐がある。



広い草原を好きな様に下って行く。

笹は全て枯れて、緑の草は「イグサ?」何でこんな所に?



ナツツバキの林に入っていく。

夏の盛りに真っ白な花を一杯咲かせるという。

私はナツツバキが真っ白に咲き誇る風景をまだ見た事がない。

リョウブの木肌によく似ているが葉が全く違う。

実はキューピーの頭の様に尖っていて面白い。



立派なブナが次々と現れる。

少し黄葉しているのはシロモジ



少し黄葉し始めたブナもある



ブナの向こうに次郎笈、剣山



カバノキ科のミズメ(別名アズサ)の大樹

樹皮を傷つけるとサロンパスの臭いがする。

嗅いでみたが本当にサロンパスそっくり!



山の上なのに湿地帯の様な所もある。

此処まで殆どアップダウンの無い広い尾根を歩いてきた。



見晴らしの良い広場で休憩。

10時46分

此処が「池の休憩所」か?

ベンチと剣山眺望案内板がある。

近くに四等三角点くるめ(1624,05m)があるはずだが見あたらない。

目の前に次郎笈 〜 剣山 〜 一の森 〜 槍戸山が屏風絵の様に広がる。
 


不入山に向かって出発。

振り返ると新九郎山と石立山



少し藪があるが手こずる程ではない



今日は素晴らしい天気の上に急坂もない。

まさに天上遊歩。

みんな思い思いに、のんびりと散らばって歩いている。



禿げたピークが見えたと思うと不入山1653m山頂だった。

11時10分着。

出発して此処まで1時間20分



見晴らしの良い山頂で思い思いに休憩。

こんなに大勢で来ても、のんびりゆったり出来るツアーは珍しい。



これから向かう久井谷山1536mが黒く見える。

その左奥は折宇谷山1653m

久井谷山手前の平らなところが不入窪



またゆったりと下って行く。



少し登りになって不入山から茶色に見えていた所に来る。

なんと!この茶黒いのはイタドリが枯れた跡だった。



振り返ると不入山

ウリカエデの大木に沢山の実がなっている。



突然とてつもなく大きな広場に出る。

なんだこれはと思うくらい広い。

不入窪到着。



トモエソウの実

剣山クラブの鳥沢さんに教えてもらいました。



ダケカンバの美しい広場を行く

イチゴの真っ赤な実が一つ。

見つけたトタン誰かは口に運んでいた。

何のイチゴ?

バライチゴの様だ。

木苺より酸味が多く、野生の味がするらしい。



前の人に付いていくと久美ちゃんが右の方から「こっちよ!」と呼んでいる。

右に駆け上がると倒木の奥にあっけなく「久井谷山」山頂1536m

キティの看板が壊れて落ちていたのでちょっと手直し



11時50分

出発から丁度二時間。

昼食にする。

皆さんからブドウやお菓子の差し入れ。

世話人の早川さんからは昨夜の月見団子の差し入れ。

美味しくいただく。

デザートはヤマブドウの実

食後はのんびり休憩



足下にタデ科の小さな小さな花が咲いていた。

ハナタデかな?サクラタデかな?矮小化していて何しろ小さい。



ゆっくりして出発。

此処まで全行程の1/3かな?

北へと直角に曲がる。



ヤマブドウが多くなる。

動物もあまり食べないのか?

それとも冬の食料の為にもうしばらく置いてあるのか山中にヤマブドウが豊作。

角度が変わって槍戸山を中心に剣山系が見える。



突然急坂になり藪が深くなる。

笹の埃が舞い立つ。



ミズナラのドングリがビッシリ。

倒木を潜ると殆ど枯れている。

こんな枯れ木にも見事なドングリが沢山出来ているのに驚く。

最後の力を振り絞って子孫を増やそうとしているのかな。



矮小化したシコクブシが一面に咲いている。

白花もあった。

苔の庭園が続く。



鹿のヌタ場やヤマブドウが覆い被さる道を行く。



山頂手前の広場で休憩。

オクラの様な実のツル生殖物は?



大行列が続く。

男性が一人逆方向からやって来て人数の多さに驚いている。



みんな少し疲れたのか無口になる。

黙々と歩く。



地下足袋王子が何か見ている。

小さな小さな青い花?

オニルリソウだと「ぐるっと野の花」の蘭ちゃんに教えていただきました。

ありがとうございます。



13時41分折宇谷山1653mに到着。

地下足袋王子と2ショット



大西さんからGPSデータの説明。

此処までのペースは前回と殆ど同じで快調とか。



思い思い出休憩。

足下にはまたもや小さな青い花?



さあいよいよ大ブナの権田山に向けて出発。



細尾根になり真っ赤な紅葉が目立つ様になる。



ドウダンツツジかと思ったが幹を見ると見事なシロヤシオ

春には可愛い白い花を咲かせるのだろうなあ。



行きずりの様な場所に中内山の標識

キティの標識らしいが面影はない。



バスを回送した剣山クラブの男性が待っていた。



また広い尾根になる。

何の爪(角)跡?



夫婦ブナにやってくる。

元気な嫁さんブナ。



旦那は四国一の堂々たる姿。

やっと会えたね。



みんな遠巻きに素晴らしい姿を眺める。



月夜茸有毒が一杯。

ひだは夜見ると白く光る  このきのこは独特なあやしい香がするらしい。

十分に鑑賞してから山頂へ



14時47分権田山山頂



疲れの見えてきた人もいるが少し休憩して出発。

尾根を行くのかと思ったら直ぐに尾根から左へと進んでいく。



テープが所々にある。

REIKOさんのレポートの道とは違う様だ。



そのうち急降下。

滑りやすい道をぐんぐん下る。



下りきったら広い庭園の様な場所になり各々好きずきに走り下りる。

沢の水場で集合。



フウリンウメモドキの実

女性が食べてみたがあまり美味しくないとか。



赤テープに従ってどんどん下る。



廃道になった林道を横切って少し下ると林道に出る。



林道を少し進むと大崩壊している。

正面に先週登った岩倉山。



此処でもヤマブドウがビッシリ。

また崩壊地に来る。



15時40分、先週岩倉山に登った時に左へと行った林道の分岐点に着く。

ナナカマドが見事。



林道を串刺しにして下りていくと作業小屋の近くに着く

バスが迎えに来ていた。

15時57分着。

予定通り丁度6時間の縦走だった。

軽のハコバンの三人組は皆さんおなじみの人の様だ。



温泉までまた50分程バスの旅。

温泉にゆったりと入って帰宅。

まんまるお月さんがとても綺麗だった。

帰って日本酒を美味しくいただく。

長年の念願の槍戸の山を縦走する事が出来て満足。


里山倶楽部四国編

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