平家平(徳島県)1604m 2009/08/30
四季美谷温泉山と花と温泉ツアー
里山倶楽部四国編
上級コースは私には手強かった。

きわん谷 〜 平家平 〜 岩倉日浦橋 

木沢アルプス(次郎笈から六郎山)の主峰に挑戦

(徳島アルプスは次郎笈から高丸山)

昨日は、柴小屋山のヒオウギの群落を見ようと予定していたが夏風邪が治らない。

スポーツデポやスーパーで買い物したりしての休息日。

夕方熱も下がったので明日は柴小屋山に行こうと用意をしていると、どうせなら権田山に行きたいと言う。

REIKOさんのレポートを打ち出して準備をしていると、

新聞に四季美谷温泉「平家平」ツアーの案内が出ているのを家内が見つけた。

平家平は標高1600m程の山だが、野性味の強い険しい山だと聞いている。

登山道は明確ではなく必ず経験者と一緒に登るようにとも言われている。

これはチャンスと電話をすると、まだ空いているという。

申し込んでからレポートを探すが、きわん谷コースからの詳しいレポートは少ない。

まーくつうさんあとみっくさんのレポートでも木頭側の蛇石から登っている。

帰りの岩倉日浦橋のコースなどは何処にものっていない。

まあ、厳しいと行っても標高差1000m位。

アップダウンもない様だし、まあ大丈夫だろう。

しかし、「上級者向き」と書かれた新聞のコメントが少し気になる。

朝5時頃起きるとまだ喉の腫れが治っていない。

風邪薬を飲んで出発。

神山土須峠経由、1時間20分程で四季美谷温泉着。

スーパー林道は9月1日開通予定であったが、復旧が遅れており開通予定は未定となっていた。

春にやっと開通したばかりなのに!やはり山を無理矢理切り裂いた林道は自然に帰ろうとしているのかな?

でもスーパー林道がずっと通れないと天神丸や樫戸丸にも行けなくなるなあ。



久しぶりに見た大釜の滝や大轟の滝は水量豊か。

西三子山でお会いした剣山クラブのTさんが仲良しのKちゃんと一緒に準備をされていた。

夕べは温泉1000円登山パックで宿泊されたそうだ。

そのうちに徳島駅前からのバスも到着。

8時30分、19名で出発。

今日の世話役さんは剣山クラブの女性のHさん。

お世話になります。

20分位走って、きわん谷橋脇に停車。

自己紹介の後、準備体操。

初参加は私達だけらしい。

今日は男性14名女性5名の参加。



四季美谷温泉の支配人「地下足袋王子」平井さんを先頭に出発。

きわん谷橋の下では、地元のご夫婦が先日の大雨で流された樹木をチェンソーで片付けされていた。

大変だなあ..



きわん谷の右岸から登山開始。

8時56分

標高650m位。

登山届けのボックスがある。

早速の急登。



資料では谷に沿った緩やかな道を辿ると書いてあったが樹林帯の直登。

先頭からこの道で良いのかと確認があり、ネットの入り口から植林帯に入る。



登山道など見あたらない。

前の人の踏み跡を登るが体重の重い私は足がすべり、両手のストックに頼りながら登る。

きついなあ!



ヤマジノホトトギスやオトコエシが咲いているが、見てる余裕はない。

タラノキのトゲが痛い。



後ろを見ると深く切れ落ちた谷。

滑りまくってやっとネットを出て休憩。

9時18分。

標高750m位。

早くもかなりな疲労感。

女性陣から、もうどれくらい登ったかと聞かれ「100m位。やっと1/10」

ええっ!と悲鳴の様な声が飛び交う。



樹間には平家落人の村、岩倉の村落が見える。

また、急坂の樹林帯を登る。

さすが上級クラス。

皆さんのスピードは速い。ついていくのに必死。



9時34分尾根に出る。

しばし休憩。

これから向かう平家平前峰が見える。

仰ぎ見る様な厳しい山容。



尾根を行くと9時41分四等三角点通過。

右から本来のきわん谷コースが合流する。

踏み跡がしっかりしてきて、廃屋の横をジグザグに登る。

作業道の薄い踏み跡が縦横にある。

登山道の小さな標識があるが、どちらに向かえば良いかよく解らない。

私達だけで来ていたら道に迷った事だろう。



植林帯を頑張って登ると、伐採地に出る。

鹿避けネットがずっと張ってある。

此処でも休憩。

結構休憩が多いなあ。

やっぱりツアーだからかな?

9時56分。

出発してから丁度1時間。

下調べのレポートよりかなり早い様だけど。

平井さんにお聞きすると前回より少し遅いペースだとか。

此処までは私も快調なペース。

今日は楽勝かな?



十分に休憩して出発。

ネットに沿って登る。

しかしかなりの急坂の上ガレていて石が崩れやすく注意しないと落石する。

おまけにネットに絡まった鹿の頭蓋骨や骨が沢山転がっている。

中にはまだ毛の残った頭蓋骨も..

ひどい臭いがする。

一気に気分が悪くなる。



ネットがある為、ダブルストックは引っかかって歩きにくい。

ハアハア息を切らして登っていると、大きな物音がする。

立派な角の雄の鹿がネットに絡まって跳ね回っている。

今にも角がネットからはずれそうで怖い。

ぐるっと下に回って、やり過ごす。

見ていると益々角が絡まっていく。

可哀相だがどうしてやる事も出来ない。

鹿にとっては死の罠の様なネットを張って何を守っているのだろうか。



ネットの切れたところの上で休憩。

10時40分。

標高1150m程。

半分程登ってきた様だ。

先程から気分が悪く喉がひどく渇く。

写真を写していたら家内が先に行ってしまって引き離される。

大きなサルの腰掛けがある。

二度程道が違うと後ろから声が掛かる。

何故か調子が出ない。



ここからは必死でみんなに着いていく。写真を写す余裕がない。

右が切れ落ちている岩の道になり大きな声がするので見ると、まむしが岩にとぐろを巻いている。

女性が「これがまむし?」「色が真っ黒なのでまむしでは違うのでは?」と騒いでいる。

平井さんが駆けつけてきて、ひょいと掴むと牙を抜いてビニール袋に放り込んだ。

すっかり家内に遅れてしまった。

おまけに蒸し暑い。

ペットボトルを4本飲み干してしまった。

前後に誰もいなくなり、登山道の小さな標識で右か左か迷い左に行く。

頭上で声がする。

道が違うみたい。よじ登って復帰。

益々疲れた。

前のグループから遅れた私達5人グループは此処から何度も座り込む。

ワイヤーのある岩場を越えて、歯を食いしばりながらやっと前平家平に着く。

堪らず座り込む。

お腹がすいたのでパンを囓ると大失敗。

喉に詰まってしまい水がないので眼を白黒。

目の前の平家平にガスが上がってきている。



少し下って登り返す。

まだ先だろうと下を見て登っていると上の方から家内の声が。

あれっソンな所で何してんの?

なんとそこが頂上だった。

危うく通り過ぎるところだった。何処で間違ったんだろう。

灌木をかき分けて頂上へ。

12時26分平家平頂上着。

出発から3時間半。

丁度標準コースタイム。

家内は既に20分くらい待ったみたい。

先頭の人は3時間も掛からず登った様だ。

さすが健脚。

昼食におにぎりを食べようとしたが、半分食べて喉を通らない。

無理矢理押し込んで家内の持っていた水を飲む。

頭痛薬を飲み横になると少し楽になった。

こんな事はこの10年間無かった。



遅れていた人達も到着し全員で記念撮影。

あれっ!チェックのシャツの男性がいないけど??



後はそれぞれ記念撮影。



Kちゃんはいつも元気。

ベテラン組は腰に団扇をぶら下げている。

この蒸し暑い時期の登山には必需品だと言う事がよく解った。



反対側の登山道は明確。

景色が何にも見えないので雑談に花が咲く。



皆さん顔馴染みの様でとても和やか。



さあそろそろ下山開始。

12時51分。



レポートでよく見る倒木のトンネルを通る。

先程はこの下をそのまま進んでしまった様だ。

オオカメノキに真っ赤な実。



ホツツジが咲き残っていた。

急坂をぐんぐん下る。

岩で思い切りすべり転倒。

リュックがクッションで怪我無し。



ワイヤーの張ってある岩場は一人ずつ下りる

その下ではロープを張ってくれている。

そのまま急坂を下っていると後ろから道が違うよと声が掛かる。支尾根に入る道らしい。

危うく間違うところだった。こんな所で間違えると帰れなくなる。

所がなんとその間違い道の下方から声がする。

急いで携帯電話で確認。

何人かが間違って下りて行ったらしい。

大声で呼ぶと返事があり、しばらく待つと合流してきた。

ネットの上まで帰ってきて登りと違う道に入る。ここから日浦橋に向かうみたい。

14時9分



バラ園とみんなが呼んでいる灌木の茂る道はジュルジュルで木を掴むとトゲがある。

途中また道が解らなくなり大声で呼ぶと姿は見えないが声がする方向へと方向修正。

ネットまで行ってネットに掴まりながら滑りまくる坂を下る。

おまけに雨まで降ってきた。こんな調子で麓まで500m以上下るの?泣きたくなってきた。

ネットを抜けて東へと周り少し登り返す。

壊れてはいるが踏み跡のある道に出る。



かっては林業に使われたらしい道を下ると岩の上にまたまむしが。

平井さんが捕まえてまたビニール袋へ。

みんな笑っているけど..怖いなあ。

快調に下っていると突然前の女性の姿が消えた。

岩に滑って道から落ちた様だ。

幸い、直ぐ下の茂ったタケニグサに引っかかって止まっている。

草が数本折れただけで怪我もない様だ。

みんなで引っ張り上げてまた下る。



廃屋をすぎて谷に向かって走る様に下りていく。



植林地帯に入って休憩。

14時51分。

残ったゼリーを食べる美味しい。

転落した女性はアイシングをする。用意周到。

やはり大したことはないようで良かった。

15時の放送が聞こえる。

薄暗くなった道を走り下りる。

15時20分林道に出る。

ほっとしていると木の根ですべりみんなの目の前ですってんころり。

照れくさい。



林道をのんびり話ながら行くと沢水の流れているところに着く。

みんな顔を洗ったり頭から水をかぶったりして生き返る。

水を飲もうとしたがこの辺は鹿が多いからと止められる。



15時44分日浦橋着。

キツイ山だった。

バスの中でもグッタリ。

私にはやはり上級コースは無謀だったか?

このお腹の脂肪20sが無ければなあ!

四季美谷温泉でゆっくり温泉に入る。ノンアルコールビールが美味しい。

皆さん今日のコースは「上級コース」いや「超上級コース」「ウルトラ上級コース」と話あっている。

厳しかったのは私だけではなかったみたい。

「もう平家平には来ない」「いやコースを変えてまた来ようか」「雪の降る時が良いなあ」

家内はまた来たがっているが私は?

やはり夏はもうこりごり。紅葉の時に木頭側から登ろうかな?

里山倶楽部四国編
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