夏の里山  涸沢岳 奥穂高岳 前穂高岳 2010/7/21〜23
ホームページ里山倶楽部四国編 

− 日本アルプスの山歩き −

そのT

上高地 〜 横尾 〜涸沢ヒュッテ 〜 涸沢岳 〜 穂高山荘 〜 奥穂高岳 〜

吊り尾根 〜 前穂高岳 〜 重太郎新道 〜 岳沢小屋 〜 上高地



そのU そのV

昨年は、念願の槍ヶ岳に登ることが出来た。

山歩き素人の私たちにとって、槍ヶ岳に登ることが出来ただけで大満足だった。

しかし、人間の欲望は果てしないもので、いつも上高地から眺めている奥穂高から前穂高への

そびえ立つ屏風のような吊り尾根を一度歩いてみたいと思うようになった。

河童橋から見た吊り尾根は遙か遠く、とてつもなく高く見える。



レポートを調べて準備するが、奥穂高岳への階段は怖いとか

吊り尾根や重太郎新道は危険で事故が多いと書いてある。

しかも寸前に家内が膝を痛めて膝に水がたまり病院へ通うことになった。

そのため一ヶ月近く山歩きが出来なかった。

今年は断念しようかと思ったが、来年になると益々体力が低下して登れなくなるかもしれない。

何故か今年が最後のチャンスのような気もする。

このような気持ちで山に行くのは危険なことはよく解っている。

しかし、家内も頑張って歩くから行きたいと言う。

日程に余裕を持って途中撤退ありで決行することにした。

20日は20時に就寝。

うとうとしている間に23時となり、0時丁度出発。

快調に走るが何故か、睡魔が襲ってきた。

こんな事は今までなかった。

やはり年のせいか。

頑張って平湯に5時30分に着く。

バス停で準備していると初老の男性がよってきて、

ザイディングロードの取り付きの雪渓では落石に気をつけるようにと言う。

先日も三人が落石で大けがをしてヘリで運ばれたそうだ。

よく上を注意して歩きなさいと言われるが、注意していれば避けれるのかな?

翌日、この叔父さんのアドバイスを忘れていて、もう少しで大惨事となるところだった。

6時のバスで上高地へ。

登山届けを書いていると、監視員が飛び出してきて「何処へ行くの?最近は無茶な中年が多くてね」

去年と同じ。私たちはいつまでたっても素人扱い。



今日は、上高地バスターミナルから、明神、徳沢、横尾まで標高差100mで11qを3時間

休憩してから本谷橋そして涸沢ヒュッテまで更に標高差700mで6qを3時間

トータルで標高差800m距離17qを休憩を含んで6〜7時間の予定


6時29分出発

今回は写メール掲示板で山歩きの報告の予定。

早速携帯電話で撮影して写メール。

うまく届いたかな?




奥穂高岳は遙か遠く高い。果たしてあの頂までたどり着けることが出来るのだろうか?



振り返ると焼岳が美しい。



キバナヤマオダマキやヤチトリカブト等、毎年同じ花が咲いているのもうれしい。



梓川の向こうにゴジラの背の西穂高、間ノ岳、天狗の頭、ジャンダルム等のピークのつながり。

その右奥に北アルプスの盟主奥穂高岳



しばらく歩くと梓川の向こうに明神岳がすごい迫力でそそり立っている。

ここから見えるのは頂上ではなくて第五峰と独標

しきりとヘリが飛び回っている。

前穂高岳に単独で向かったとみられる岐阜市の男性(60)が下山予定の19日を過ぎても帰らない為

県警ヘリで捜索しているらしい。

私たちはヘリのお世話にならないように気をつけなければ。



明神岳の左奥には西穂の山々が見える。



コキンレイカやセンジュガンピが咲き乱れているが例年より花は少ない。



7時33分明神到着

正面にそびえるのは明神岳第五峰。主峰がその右奥に見える。

此処でも写メールをしようと思ったがなんと圏外



徳本峠への分岐には小屋が8月1日から営業開始だと書いてある。

一度泊まってみたいものだ。



イチヤクソウやウツボクサも咲いている。



徳沢に近づくと明神岳と前穂高岳がそびえるのが見える。

ここから見た明神岳と前穂高は美しい

手前は長七の頭と茶臼の頭

奥穂高岳はあの奥だろうか。



前穂高山頂付近をズームアップ

なんと険しい山だろう。

あんなところに登ることが出来るのだろうか?



イボタノキなどの花を楽しみながら歩く。



徳沢ロッジそして徳沢園を通過



水辺にはウバユリが咲いている

大きなアザミも咲いている。



きれいな流れに日が差して美しい。



新村橋に着く。

パノラマコースは雪のため8月まで通行禁止



遠くから見ると前穂高岳はきれいな姿をしている。



コキンレイカやサワギクが群生



ヨツバヒヨドリも多い



ホソバヤマハハコ?とサワオトギリ



ゴゼンタチバナやホツツジも沢山咲いている。

個々で家内が石につまずいて膝がピキッとなったと言って座り込んだ。

これは困った。

湿布薬を貼りサポーターをして歩くがとても痛そう。



横尾まで何とか歩いて休憩する。

9時30分横尾着

出発して丁度3時間

医者に貰っていた膝の痛み止めを飲む



看板で山の位置関係を確認する。

中央の涸沢ヒュッテまで今日は登る予定



しばらく休憩すると薬が効いてきたのか痛みがなくなったと言う。

とりあえず涸沢まで登ってみることにする。



正面に屏風の頭そして左奥に前穂高岳

ここから涸沢まで6q



横尾大橋を渡り沢沿いに進むと屏風岩の向こうに真っ白な穂高の山々が見える。



整備された緩やかな山道をゆっくりと登っていく



正面に北穂高岳が美しい姿を現す



1000mの垂直な壁の屏風岩を巻いていく

此処はロッククライミングで有名な場所



シロバナクモマニガナが清楚な姿を見せている

タケシマランの実が赤くなりかけている



正面の山の天辺には山小屋が見える

北穂高小屋だろうか?



クルマバツクバネソウやサンカヨウは実になっている



シギンカラマツと清流



北穂高岳がだんだん大きくなってくる



半分白い葉っぱはマタタビの花だろうか?



10時54分本谷橋に着く。

家内は足をかばいながら歩いたが、かなりいいペースで着くことが出来た。



清らかな流れが美しい。

冷気が漂い、一気に汗が引く。

岩に座って昼食タイム

此処の水はきれいだが飲めないという。

理由は上流にヒュッテやキャンプ場があるかららしいが、浄水設備などは出来ないのかな?

のどが渇いた人は屏風岩からのわき水を飲むと良いらしい。



ヘルメットの一団は、明神池から明神岳に登って前穂、奥穂と回って来たらしい。

素晴らしいコースらしいが私たちにはとても無理。



ここからは急な山道となる。

上高地から前後に歩いてきた親子4人組と抜きつ抜かれつ登る。



クルマムグラやゴゼンタチバナが群生



コイワカガミが一輪咲き残っていた

ちょっとザレたところは厳重に補強されている。



正面に見えるのは前穂高の北尾根だろうか?

こんなところにコミヤマカタバミ



マイヅルソウがまだ咲き誇っている。



黒い花のエンレイソウが多い



ウラジロナナカマドの咲く谷筋を登ると、目の前にのこぎりのようなピークの続く前穂高の北尾根



スキーを背負った青年が降りてきた。

雪渓を滑り降りるのは最高だと言っていた

コマユミ花のかな?



ベニバナイチゴの花も多い。

もう少しすると真っ赤な実(美味しくない)がなることだろう。

このチョコレート色の花は一面に咲いていたが??

ツリバナにしては色が濃いしなあ?

クロツリバナは花びらが5枚だし?



ミネザクラが可愛い花を咲かせている。

サンカヨウが綺麗に花を咲かせていた。



ウラジロナナカマドの向こうに北穂高岳



これはクロツリバナ?



ダケカンバが多くなる。

秋には美しく紅葉することだろう



急に目の前が広がると雪渓の中のモレーンの丘に山小屋が見える。

涸沢ヒュッテかな



キヌガサソウがかろうじて咲き残っていた



ミヤマキスミレとベニバナイチゴ



標高が上がるとサンカヨウが花の盛り



コマガタケスグリの花が咲いている。

葉は大きさ5−15cm、カエデの様な掌状形だが、カエデとは違って互生している。

20cmほどの花序が垂れ下がって、淡緑色に赤みを帯びた花を付ける。

駒ヶ岳はあちこちに有るが、木曽駒ヶ岳にちなんでこの名。スグリは酸っぱい塊の事。



やがて雪渓の下部に着く。

雪解け水が沢となりゴウゴウと流れている

一息入れてから雪渓を登り始める。



傾斜が緩やかなのでアイゼンは必要ない。

ゆっくりと登っていく。

目の前に穂高の山々が迫ってくる。

中央は奥穂高岳。右は涸沢岳



また岩場となる。

目の前に涸沢岳と涸沢槍



雪の中に黄色い花をつけた木



この木は何の木?



涸沢小屋との分岐をまっすぐに進むと雪が階段状に整備されている。



途中で右へと曲がると涸沢ヒュッテに着く



ウスノキかな



ミヤマアカバナがあちこちに咲いている

13時5分涸沢ヒュッテ着

上高地から約6時間半で到着



一泊二食付きで9千円

今日は一人布団一枚でゆっくりと泊まることが出来る。



新館裏に上がると立派な木製のテラスが設置されている。

本館の上には奥穂高岳



テラスの右にはテント場とその向こうに涸沢小屋

その上には北穂高岳。

左には涸沢岳



涸沢小屋もなかなかいい雰囲気



涸沢カールの奥に前穂高岳から吊り尾根そして奥穂高岳へと屏風のような山々がそびえる。

此処でもAUは圏外だった。



奥穂高岳山頂は左奥のとんがった頂かな



白出しのコルに穂高山荘(黒い点で見えている)はある。



明日はキャンプ場の中を通って涸沢小屋から雪渓を渡り

ザイディングロード経由で涸沢岳に登り穂高山荘に泊まる予定



涸沢園谷(けんこく)全景

奥穂高岳から涸沢岳そして北穂高岳とパノラマのような景色が広がる。

氷河が山を削りこの素晴らしいカールを作ったのはいつのことだろうか?



振り返ると屏風の頭

テラスのヒュッテでモンベル会員へのサービスのホットコーヒーを楽しむ。

テラスでスケッチしているのは今夜の同部屋の神奈川のご夫婦

今日すでに横尾から奥穂高岳に登ってきたらしい。



屏風の頭の向こうには東天井岳から大天井岳そして燕岳に続く稜線が美しい。

右に稜線をたどると常念岳に続く。



家内が若い人たちと話し込んでいる間に生ビールを一杯

のどかな時間を過ごす。



イワツメグサがあちこちに咲いている。



東大の診療所がある。

売店の裏には本館と別館



今日の部屋は二段になっていて私たちは下段

番号で見ると12人用だが今日は6人。一人布団一枚でゆったり寝ることが出来る。

槍ヶ岳の布団よりも幅が広くて手足を広げて寝ることが出来る。

トイレは室外だが新築のようで綺麗で沢山設置されている。

夕ご飯まで一眠り。

夕ご飯はボリューム満点で美味しい。

ビールを飲みながら神奈川のご夫婦と山の話で長居してしまう。



外に出るとまだ明るい。

なんと気温が18度

休憩所で前穂高北尾根の登山ビデオを見て過ごす。

このビデオの出演者は穂高山荘のお嬢さんらしい。

明日お会いできるのが楽しみ。

夕暮れの景色を楽しんでから20時過ぎに就寝

家内の膝はあんまり腫れていない。

これなら明日、涸沢岳に登ることが出来るかも?

消炎剤を飲み湿布薬を貼る。

睡眠導入剤の効果か、家内も私も一瞬のうちに爆睡

そのU そのV

里山倶楽部四国編

ホームページにも是非お立ち寄りください
inserted by FC2 system