春の里山  東尾神領ユリ  2011/05/28
          里山倶楽部四国編 

− 東尾神領ユリ咲き始める  −

例年より随分と早く梅雨入りしたと思ったら大型台風がやってくると言う。

最近は思いがけないことばかりが起こる。

小雨なら中津峰山でも歩いてこようかと思ったが、朝から雨脚が強い。

家内が神領ユリが今日から一般公開されているという記事を見つけた。

神領ユリは10数年前に農村レストラン「いづりは」で一度見ただけ。

東尾神領ユリは特にピンクが濃くて素晴らしいと聞く。

毎年チャンスを逃しているので早速見に出かける。

那賀町東尾地区は竜峠の登山口として知られているが、徳島市内からはとても遠い。

神山経由、上勝町経由、鷲敷町経由と道は沢山あるがいずれも2時間位掛かる。

今日は、勝浦から鷲敷経由で向かうことにする。

長安口ダムのビーバー館で情報を仕入れて、橋を渡ってすぐに右へと曲がり細くて急な山道を登っていく。

傾斜が緩くなり視界が開けてくると東尾地区に来る。

先着者の車が2台止まっている。



最終民家はかなり立派で最近まで生活していたように綺麗に保たれている。

明るく開放的な場所で水田や畑も広い。

山間部だが豊かな生活を営んでいたことだろう。

納屋の横から沢に沿った道を上っていく。

狭く荒れた道だ。



やがて道が歩きやすくなると道の横に網のフェンスと イノシシ避けの高圧電線が張り巡らされている。

フェンスに入り口があり鍵が開けられていた。



傘を差して歩いて行くが上にもネットが張ってあるのでとても歩きにくくなる。



道の両側には驚く程沢山の神領ユリが繁殖している。

しかし、ほとんどまだ蕾。



香川の国分寺から来られた女性が二人やってきて、上の方に沢山咲いていますよと教えてくれた。

お堂から上がっていくと咲いていました。

息をのむような鮮やかなピンク色の神領ユリ。



雨に濡れて下を向いているのが残念だが、ササユリとは明らかに違う美しさ。



そこいら中、神領ユリだらけ。

まだ咲き始めだが、来週になると満開となり素晴らしいことだろう。



咲き始めは色が淡く、次第に濃い色に変わるという。

細い茎と細い笹のような葉が神領ユリの特色を表している。



立派な檜の屋根の祠がある。

昔は随分と豊かな部落だったのだろう。



ユックリと神領ユリを楽しみお堂に来ると、「神領ユリを守る会」会長の吉田さんから声が掛かる。

20年程前から保護活動を初めてやっと保護ネットなどが整備されて動物の害が減ったとの事。

今年は特に蕾が多くて楽しみだという。

一生懸命保護して綺麗に咲いたのを、皆さんに楽しんでもらうのが楽しみだそうだ。

時々盗掘する人もいるそうだが、蛇紋岩地帯でしか咲かないので枯らしてしまうだろうと辛そうだった。

吉田さんは徳島市の私の実家と同じ町内にお住まいだそうだ。びっくり。



境内には20m位もある五葉松の大木に花が咲いていた。

こんなに大きな五葉松を見たのは初めてだ。

何本も植わっているのでこのお堂がずい分昔から祀られていた事が解る。

境内にも神領ユリの蕾が一杯。



お堂はメロンなどがキチンと祭られていた。

吉田さんが掃除をしたりお祀りをしたりしているという。

昔は大勢の参拝客で賑わったらしい。

天女の絵が珍しい。



帰りには長安口ダムが放流されていた。

すごい迫力。

台風は大丈夫かなあ。





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