初夏の里山  雨の丈六寺  2011/06/19
          里山倶楽部四国編 

− イロハモミジのタケコプター(翼果) −



丈六寺の一の門から二の門に向かう参道にはイロハモミジの古木の並木が続いている。

秋には素晴らしい紅葉を見る事が出来るだろう。



モミジが多い、せせらぎロードの掘り割りには澄んだ水が勢いよく流れている。 静寂な境内に清々しい水音が響く。



イロハモミジの翼果がほんのりと色づき始めている。

イロハモミジの花は下を向いて咲くが、翼果は上を向く。

種を遠くに運ぶために、このドラえもんのタケコプターの様な翼が役に立つのだろう。



国指定重要文化財の三門から同じく国指定重要文化財の本堂を眺める。

丈六寺の歴史は白雉元年(650年)に関東地方よりたどり着いた尼僧が、この地に庵を構えたことに始まると言われており、

徳島県下で現存する最古の曹洞宗の禅寺であり、「阿波の法隆寺」・「阿波の正倉院」とも称されている文化財の宝庫だ。



境内には立派な菩提樹が花を咲かせているが、もう盛りは過ぎている。



花の盛りには見事だっただろうなあ。



本堂から左へと行くと観音堂がある。普門閣とも呼ばれる。寄棟造二重仏堂(上層・下層の2つの屋根をもつ仏堂)。



観音堂普門閣は、室町末期永禄10年(1567)に細川真之(さねゆき)が父持隆(もちたか)の17回忌に寄進したもので、

何回か解体修理されたが、室町末期の姿が保たれていて、三門とともに県下で最も古い建築物だそうだ。



観音堂に祭られている聖観音坐像(しょうかんのんざぞう)は金箔仕上げの檜寄木造りで、高さはおよそ3.6m。 

立ち上がれば身の丈がおよそ4.8m(一丈六尺)になる。 

この大きさの仏像は一般に丈六仏(じょうろくぶつ)と呼ばれ、寺の名の由来ともなっている。 

観音様が左手で持っている蓮華のつぼみ 未敷蓮華(みふれんげ)は悟りをまだ得られない、人間をあらわしている。

右手は左手の蓮華のつぼみにそえる捻華微笑(ねんげみしょう)の形をとっている。

観音菩薩はかざした右手で、いままさにつぼみを開かせ極楽浄土への悟りに導こうとしている。

この観音様を修理したときに、身長32cmの胎内仏を発見し、現在は宝物館に納められている。



丈六寺墓石群

五輪の塔が苔むしている。



細川三代の墓や蜂須賀家由縁のの墓が沢山ある。

近世、阿波を舞台に登場した主役がすべてここに眠っている。

丈六寺は時の権力者にとっていかに重要な場所だったかが解る。

50年ほど前に父が我が家の先祖のの墓もあるはずだと探していたことを思い出す。



血天井には50年前に見た時と同じ血の付いた手形がいくつか残っていた。

長宗我部元親が、敵対していた猛将新開遠江守忠之(新開入道道善)を、

和談と称した計略によって打ち倒した際に飛び散った血液が縁板へと染み込み、

その縁板を用いたのがこの血天井と言われている。



毎週雨だと体の調子がおかしくなってしまう。

出来るだけ散策などをして体調維持を図らなければと思う。




里山倶楽部四国編
inserted by FC2 system