冬の里山 極寒の剣山 2010/12/25
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− 剣山 マイナス16度 −

今日は、今年一番の寒波がやって来るという。

今年の登り納めは剣山にする事にしているが大丈夫だろうか?

お山の天気予報を見ると剣山山頂で風速24mの強風が吹くらしい。

風速24mと言うと台風並みだ。

寒さ対策を万全にして見ノ越に向かう。

見ノ越が近くなると真っ白な剣山が目の前に聳える。

なんと小雪が舞い始めた。

今日は徳島市内でも初雪が舞ったらしい。

しかし、車道には殆ど雪はない。



8時44分駐車場出発

先着の車は二台

三嶺の方向は雪雲が湧いている。



登山口の気温はなんとマイナス10度



凍結を心配したが、新雪が薄くあるだけで前回の時のように凍ってはない。



サクサクと新雪を踏みしめながら登って行く

先行者の足跡は二名



西島神社の何時も凍る岩も凍っていない。



9時38分西島駅着

大剣神社へ向かっている足跡はない。



急激に寒くなってくる。

ウルトラライトダウンは寒さを感じさせないが顔やほっぺが痛い程寒い。



三嶺方向は相変わらず雪雲に隠れている。



太陽に向かって登って行く

寒いのでネックウォーマーと冬用手袋に変える。

撮影をする為には厚手の手袋では駄目なので、薄くて暖かい手袋を探して購入するのに苦労をする。



高城山方向



丸笹山、赤帽子山方向



再度、霧氷の向こうに高城山



天神丸や高城山には雪は見えない



9時56分刀掛けの松

此処でも雪は少ない



絶好の三嶺ビューポイントでも三嶺の姿は見えない

塔の丸に雪が積もっているのは珍しい



山頂から太陽が出てくる



少し雪が多くなる。

出来るだけゆっくり登って雪の感触を楽しむ



高度が上がると霧氷がでてきた



見上げると青空と霧氷



風がビュウビュウと鳴ってとてつもなく寒くなる。

一生懸命登っていると、顔と手以外は汗ばむ程暖かい。

人間の体から運動の時に発生する熱エネルギーはすごいものだ。



剣山の霧氷は綺麗でないという人がいるが、この景色を見てください。

アカカンバの霧氷の林とその向こうに高城山

更にその向こうには焼山寺や眉山

徳島市街が広がっているはず。

昔住んでいたマンションや鮎喰の川岸からは此処の霧氷が白く輝いて見える。

激寒の時期、徳島に住んでいる方は国道192号線の上鮎喰橋から西を見てください。

山が連なっていますがその奥に真っ白な剣山が見える事でしょう。



朝の日に照らされて雪道が輝いて見える。



振り返ると丸笹山の頂上も冠雪している



抜け通るような冬の青空



アカカンバの霧氷が白く輝く

風は相変わらず嵐のように吹き荒れて、鼻先が痺れる。

鼻水が出てくるが拭いてもきりがない。



行場の分岐まで来るとヒュッテは直ぐそこ



モミの木のモンスター



数年前の年末にはこの鳥居が雪に埋まって下を潜るのに苦労した事もある。

赤いリュックの先行者に追いつくが先行者は休憩せずにそのまま山頂に向かった。



10時18分山頂ヒュッテ着

なんと気温はマイナス16度

先週来た時はマイナス4度だったので今日が異常に寒い事が解る。

こんな低温は生まれて初めて経験する。

風が強いので体感温度は更に低い。

しかし、一生懸命登ってきた体はまだ寒さを感じない。



すごい勢いで青年が登って来たが、寒いと言いながら頂上へは行かずにそのまま帰ってしまった。

此処が頂上と思ったのかも知れない。



頂上は何時も風が強く寒いので、ゴアテックスのジャケットを着る事にする。。

リュックからジャケットを取り出す為に、少しの間手袋を脱いだら手が痛くなる程冷たくなった。

じっとしていたら急に体が冷えてきた。

大急ぎでジャケットを着る。



頂上に向かうと先行者の黒い服の男性が引き返してきた。

挨拶するが口が凍ってうまく声が出ない。

先行者も同じらしくモゴモゴ言ってすれ違った。



高知方面が光っている

太平洋だろうか



相変わらず三嶺は雪雲の中



凍てつく剣山山頂で記念撮影



次郎笈方向へは足跡が一つ

先程の赤いリュックの先行者が次郎笈に向かったのだろうか



次郎笈を眺めていると下から冷たい風が吹き上げてくる。

寒さで気分が悪くなってきた。

頭がクラクラする。

早々に引き返す



ヒュッテ前の日だまりで食事にしようかと思ったが、日が差していてもじっとしていられない程寒い。

トイレをお借りして帰る事にする。

山のトイレは今の時期閉まっている事が多いが此処のトイレは開いていて結構暖かい。

温かいコーヒーを飲みたいがリュックから出すために手袋を脱ぐのが躊躇われる。

寒さの為に何をするのも億劫になる。



帰ろうかと思っていると、なんと元気印のK美ちゃんとOさんがやってきた。

お尻から尻セード用の黄色いソリをぶら下げている。

若いなあ!そんな薄着で大丈夫?

まるで町を散歩しているみたい。

これから一の森まで行くらしいが私達は戦意喪失

記念撮影してお別れする。



K美ちゃん達が頂上に向かうのを見送って下山開始

10時57分



K美ちゃん達は行場の分岐ででっかいニホンカモシカに出会ったらしい。

明らかに日本シカとは違う足跡が残っていた。



雪歩きを楽しみながら下山

誰も登ってこない

お昼だというのに更に寒くなってきたようだ。

手袋をしているのに手が痺れる。



西島駅まで帰ってくるとご夫婦が大剣神社コースへ向かっていた

やっと三嶺が顔を出した。

山頂付近はかなり白くなっている。



西島から下ると二人程登って来た



ドンドン下っていると新居さんがやってきた。

30日から正月用にヒュッテを開けるそうで今日は大根などの重い物を運んできたらしい。

家内の長靴を見て「剣山の冬は長靴が良いでしょう?私も何時も長靴ですよ」と言って登って行った。

昼になって気温は上がってきているはずなのに登山道の雪が凍ってツルツルになってきている。

こんな風に凍っている時はスパイクが効きにくいので長靴でも注意が必要。



12時26分登山口に降りて来た。

なんと気温はまだマイナス8度

階段を下りていると関東なまりの男性が二人登って来た。

「頂上まで何時間か」と聞くので、急いで一時間半だと言うと

「山小屋は開いているか」と聞いてくる。

「山小屋は営業していませんよ」

「頂上はとても寒いですよ」

何しろ二人はトレッキングシューズは履いているものの、

街着のジャンパーにお茶のペットボトルだけポケットに入れている。

手袋は軍手だ。

この時間から極寒の剣山に向かうのは無謀だ。

注意したのに「寒いだろうなあ」とニコニコして登って行った。

まあ危険なところは無いし、新居さんも登っているからヒュッテも開いているかも知れないし

寒ければ諦めて下りてくるだろう。

「気をつけて」と別れる。



駐車場に停まっているのは所沢や岡山などの県外車が殆ど。

徳島の山だと言って侮らないように気をつけてください。

東京近辺の山より冬は厳しいですよ。

何しろ登っている人が少ないので事故などがあった時助けてくれる人がいませんよ。

そう言えば東京近辺の山は真冬でも大勢の人が登っていたなあ

車に帰ってペットボトルのお茶を飲もうとしたらガチガチに凍って飲めない

温かいコーヒーを飲んでしばらく体を温める。

ヒーターの温風に手を暖めるが、痺れたようになって中々回復しない。

お腹が空いてきた。慎重に運転して神山の道の駅で暖かいおそばを食べて帰る。


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