初夏の里山  剣山  2011/07/02
          里山倶楽部四国編 

− オウヤマレンゲが咲きました −


東赤石山では、オオヤマレンゲが花の盛りでタカネバラが咲き始めているらしい。

家内の調子を聞くとまだ自信が無いと言う。

それじゃあ2週続いてとなるが剣山にオオヤマレンゲの様子を見に行こう。



自宅から園瀬川沿いに剣山を目指す。

川面はガスっている。

夕べの雨に濡れたネムノキが幻想的だ。



コリトリから登っていくと、先週まで満開だったウツギが姿を消してヤマボウシが見事に咲いている。



見ノ越の駐車場は車が少ない。

剣神社の階段にもヤマボウシが満開。



三嶺方向は深いガスの中。

気温は16.5度



ガスが深い登山道を上る。



西島もガスの中



先週は満開だったナナカマドが花を落としている。

代わりにヤブウツギが満開。

先週蕾だったとげアザミの花が開いている。

季節の移り変わりの早さに仰天する。



コナスビはますます元気



小さなキンポウゲ?も沢山咲いている。



西島駅も真っ白



冬の間、雪に埋もれて今にも枯れそうだった苔の付いた古木は、実はヤブウツギだったことに初めて気がついた。



西島から刀掛けの松まで両側はヤブウツギに埋め尽くされている。

先週は蕾も全然見えなかったのに、たった一週間でこんなに花が咲くとは不思議。



刀掛けの松から行場に向かう。

ヒメレンゲがかなり少なくなっているがまだまだ元気。



オククルマムグラの花も消えている。

ウワバミソウが林床にびっしり。



テキサスゲートが雨に濡れて滑りやすい。



下の行場に回り古剣神社にお参り。



ヒメフウロが沢山咲いている。



35社にお参りして奥の岩場をのぞき込む。



イワガサが岩壁にへばりつくように咲いている。



カノコソウも可愛い花を咲かせている。



トリアシショウマかな?

ご夫婦がやってきてオオヤマレンゲはどこに咲いているか聞いてくる。

見つからないのでこのまま帰ろうと引き返してきたらしい。

「此処から丁度20分位でつきますよ。丁度今花の見頃だと思うので見ないで帰るのはもったいないですよ」

と言うと私たちの後を付いてきた。



穴吹源流は夕べの雨でゴーゴーと流れている。



カニコウモリの蕾が伸びてきた。



お花畑を過ぎてヒメシャラの林に来るとヒメシャラの花が落ちている。

上を見てもヒメシャラの葉の間に花を見つけることは出来ない。



何時ものところに真っ白い花が沢山見える。

先週は堅いつぼみだったのに、沢山花が咲いて丁度見頃。



ガスってはいるが真っ白いオオヤマレンゲの花は凛として見える。



たっぷりと楽しんだ頃に先ほどのご夫婦がやってきた。

感嘆の声を上げている。

この天女花を最初に見たら皆さん感激の声を上げる。

それほど清楚で美しい花だ。

今年も出会えたことに感謝。



遭難碑のところまで来ると先週一面に咲いていたツマトリソウが影も形も無い。

今日は一の森に寄らずに二の森へと向かう。

マイヅルソウも花が消えている。



オトギリソウがだいぶ大きくなっているがまだ蕾も無い。

花が咲くのはまだ先みたい。



経塚森を過ぎてミヤマクマザサの中を歩いて行くと笹の花が沢山咲いている。

天狗塚や三嶺では2年ほど前に沢山笹の花が咲いた。

その後、笹枯れが目立つようになった。

笹によく似た花を咲かせる稲は春に種から芽を出し、秋には開花して実を付けて枯れる。

笹の一生は30〜40年。

笹の種が発芽して生長して地下茎で増えて、30〜40年程経ったら開花して実を付ける。

開花すると笹は枯れる。笹は広い範囲が地下茎で繋がっているので枯れる範囲が広いのだろう。

石鎚山や瓶ヶ森で大量の笹枯れがあったのは昭和45年頃。

それから丁度40年ほど経っているが?

自然の摂理には逆らえない。

でも同時に全ての笹に花が咲くのでは無いそうなので心配しなくても良いのかな?



かろうじて咲き残っているツマトリソウみっけ。

剣山頂上ヒュッテもガスの中。

登山客の姿が見えない。



ヒュッテ前の花壇にはイシダテクサタチバナが咲いている。



タカネバラも二輪ほど咲いている。

オオヤマレンゲはまだ蕾

頂上へ向かうが人影が無く寂しい。



とりあえずチョコレートパンを食べて一休み

ガスで何も見えず寒い。

数人やって来たがすぐに帰ってしまった。

時間も早いので次郎笈に向かう。



西島分岐からの道にはトゲアザミが沢山開花していた。

四国だけに咲くというトゲアザミは名の通りトゲが多くて鋭い。

写真を写そうと近づいただけで、足にとげが刺さって痛い。

トレッキングパンツなど簡単に貫き通してしまう。

しかし、濃いピンクの花は鮮やかできれいだ。



リョウブの花が咲き始めていた。

リョウブの花が真っ白に咲き誇るのに出会ったことが無い。

徳島の里山ではリョウブが非常に多いのに不思議だ。



強風で曲がったリョウブの樹



此処の尾根筋にも立派なヤブウツギが咲いている。

冬には霧氷が綺麗につく。



此処まで誰にも会わなかった。今日の次郎笈は登山者が少ない。



水場分岐を過ぎるとコメツツジの低い木が多くなる。

よく見ると小さな白いコメツツジの花が咲き始めている。



小さい花だが可愛い。

白い蕾がお菓子のようだ。



コメツツジを撮影していると、賑やかな団体。

全員、手製の生木の杖を持っている。

若い女性が多い。

香川からのツアーらしい。

その後若い4人組が賑やかに駆け下りてきた。

胸に**大学ワンダーフォーゲル部と書いてある。

何時もの高知大学の学生さん達かな?



誰もいない頂上で昼食。

こんな虫が飛び回って落ち着かない。

口の中にも飛び込みそう。



早々に頂上を後にする。

コメツツジを写していると数人登ってきた。

珍しそうに「何を写しているんですか?」と聞くので

「コメツツジの花ですよ」と説明するが、皆さん余り興味が無いみたい。



ガスが少し晴れてきてヤブウツギの花が鮮やか。



この稜線は風が通って寒いのかナナカマドの花が今頃咲き始めている。



トゲアザミにコチャバネセセリが吸蜜にやって来ている。

小さなハチも一生懸命蜜を吸っている。



西島へのトラバース道を行くと先週満開だったナンゴクミネカエデが種になっている。

イロハカエデの種と形はそっくりだが茶色で可愛くない。

それにしてもゴジャゴジャとものすごく多い。



何の実?



道の両脇にびっしりとベニドウダンが咲いている。

ガスが水滴となったのか濡れていて綺麗だ。



ベニドウダンかシロドウダンか?

可愛い色だ。



クリーム色のシロドウダンも沢山咲いている。



少し緑色のシロドウダン。

先週ヒメウツギの咲いていた山の斜面やミズナラの古木の下などにびっしりと咲いている。



此処にもヤブツバキの木が多い。



古木の幹にはツルアジサイが這い上っている。



4枚の装飾花があじさいのようだ。



シモツケのような花はイワガサだ。

暗い崖下に白く咲いている様はかなり派手で目立つ。



林に入ると所々にバイケイソウが咲いている。



バイケイソウは鹿などに葉が囓られて汚くなっているのが多いが、剣山のは綺麗だ。



西島の野営場に来るとテントが一張り。

先ほど次郎笈から駆け下りてきた若者達がいた。

聞くと愛媛大学のワンダーフォーゲル部らしい。

石鎚山とか鬼ヶ城山などでキャンプをしているらしい。

是非メンバーを増やして徳島の山にもドンドンやって来て欲しい。



ショウキランのつぼみをみっけ!

面白い形をしている。

第二駐車場への分岐を過ぎると、追い越していった夫婦がすごい勢いで引き返した来た。

歩いても歩いても下っていく様子が無いので道に間違ったと思ったらしい。

第二駐車場への分岐を下ろうとしているので、「見ノ越は真っ直ぐで間違いないですよ」とお教えする。



このトラバース道は傾斜がほとんど無く、ユックリと緑のシャワーを浴びることが出来る。



ヤマボウシの花に日が差して透き通るガクが綺麗。



吉野川源流に来る。

この水が大歩危峡に流れ、やがて高松や徳島の命の水となる。





帰りに木屋平の川筋でネムノキの花が咲き始めている。

細く伸びたおしべが綺麗だ。

今日は、念願のオオヤマレンゲに会うことが出来た。

思いもかけない沢山の木の花を楽しむことが出来た。

剣山は、8月のキレンゲショウマや紅葉の時期が人気だが、初夏の花たちも素晴らしい。




里山倶楽部四国編
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