冬の里山  剣山 〜 次郎笈   2012/02/26
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− 剣山から一味違う雪の次郎笈へ −

先週は暖かい日が続いた。

おまけに昨日は一日中温かい雨が降った。

もう低山の雪は殆ど融けた事だろう。

しかし、剣山なら昨日の雨も雪だったかも知れない。

今年3回目の剣山に向かう。

所が木屋平を過ぎると粉雪が舞いだした。

あれまっ!

見ノ越に来るとかなり本格的に降り出した。

こりゃあ大変だ。



見ノ越には香川ナンバーの車が二台

先行者が居れば安心

8時21分出発。

早くも先行者の足跡は消えかかっている。



まずは剣神社にお参り

雪は益々強くなる。

三嶺は完全にガスの中



気温はマイナス5度

風が無いのでそう寒いとは感じない。



前回登った時に比べて雪は少ない。

新雪が積もっているが、10p位

その下の雪は堅く凍っていてアイゼンが効いて歩きやすい。

先行者の12本アイゼン組は遊歩道に向かっている。

残りの人たちに続いて直登路を登る。



標高1700mを越えると枝に霧氷が付いている。



西島神社の岩場は岩が顔を出している。



ノリウツギの樹には綺麗な樹氷

前回は埋もれていた笹が随分と顔を出している。



9時14分西島駅着

先行者の一組は鳥居から大劔神社の方に向かっている。

西島駅には男性が二人休憩されていた。



三嶺はもちろん次郎笈や剣山山頂の雲海荘も見えない



休憩されていた香川の男性二人は、次郎笈への危険なトラバースに向かって出発した。

二人とも12本アイゼンにピッケルを持っていて山のベテランらしいので大丈夫だろう。

私達は西島駅の裏から尾根道に向かう。

埋まっていた看板も完全に顔を出している。

先週、暖かい日が続いたので融けてしまったのだろう。



しかし、尾根道の樹氷は素晴らしい





顔に粉雪が吹き付けて冷たいが、堅く締まった登山道はとても歩きやすい。



刀掛けの松の枝折神社はすっかり顔を出していた。

狛犬も埋まっていない。



大劔神社方向に向かった先行者らしい足跡がある。

やはり大劔神社に行かずに刀掛けの松に回ってきたようだ。



頂上直下のトラバース道はトレースが付いていない。

雪が少なくなっているので歩く事は出来そうだが、先行者のトレースに従って尾根道を行く。



樹氷が凄い



凄い樹氷のトンネルを越えて階段を上る。

雲海荘に向けて登ろうかと思うがトレースはヒュッテ方向に向かっている。



私達もヒュッテに向かう

10時丁度ヒュッテ着



気温はマイナス9度



ヒュッテから上に出ると冷たい北西の風が吹き付ける。

ネックウォーマーを引き上げるが露出した目が痛い程冷たい。



前回来た時は木道まで雪に埋もれていた。

今日は木道の下に50p程隙間が出来ている。

エビの尻尾は西に向けて大きく発達している。



10時9分頂上着

頂上の標識石積みは埋もれていない。

前回より1m以上雪が少ないようだ。



ガスで眺望は全くない



頂上は完全にホワイトアウト状態

先行者は休む事なしに次郎笈に向かっている。

コーヒーを飲んで一休み。

休憩後、家内は躊躇う事なしに次郎笈に向かった。



遊歩道分岐まで下るとトラバース道から足跡が次郎笈に向かっていた。

先程お目にかかった方達だろう。

益々雪が強くなるが私達も次郎笈に向かう。

最初の小ピークから急坂を下りたあたりから、本来なら笹の左をトラバース気味に進むはずだ。

しかし、笹と登山路の境が無く、だだだっ広くて何処でも歩ける。

大岩の左をトラバースする所で足跡が岩の上へと向かっている。

12本アイゼンはトラバースへ向かっているので私達は何時ものトラバースに進む。

しかしこれが拙かった。

トラバースは途中から急な斜面となって先行者のトレースも殆ど消えている。

家内は6本爪アイゼンが横滑りして進めないと言う。

6本爪アイゼンは6本の内4本の爪が進行方向と直角に付いているので、上り下りには強いが横滑りには弱い。

私が先になって進むが、怖いのでもう帰ろうと言う。

確かに滑ると、左側は遙か下まで笹の急斜面を転がり落ちて止まりそうも無い。

家内がこんな弱気になるのは珍しい。

仕方が無いので帰ろうかとも思うが此処で引き返すのは残念。

私が先に雪の斜面を蹴り込んで、足場を固めると何とか滑らずに進めるようなのでホットする。

確りと足場を固めながら進んでいく。

大岩の所から細尾根を足跡が沢山降りてきているのに交わる。

やはり此処は大岩を乗り越えていくのが正解らしい。



水場分岐までは細尾根の急坂

夏道とは全く雰囲気が違う。

今日は、今までより随分と雪が少なくなっているだろうし、新雪が降っているので滑らない。

それでもかなり緊張した歩きが必要だ。



霧氷のトンネルを越えた所で、西島でお会いした二人がもう降りてきた。

かなり吹雪いてきたので気をつけて登るようにと注意してくれた。

その後直ぐに4人組の男女が降りてきた。

なんと皆さんアイゼンをつけていない。

普通の登山靴だけで急斜面をスイスイ降りてくる。

しかし、全員ピッケルを持っていた。

最後部の人は赤いテープをつけた竹を沢山担いでいた。

吹雪いた時のマークに使うのだろうか?



登山道の左側は凍った雪が大きくせり出している。

端に寄らないように真ん中を真っ直ぐに登って行く。

難所の岩場は難なく登れた。

偽ピークはガスの中。



11時33分次郎笈着

山頂は雪が吹き飛ばされていて地面が露出している。



山頂からは何も見えない。

強風が吹き付けるだけ。

コーヒーを飲んで、あんころ飴を一つ食べて下山

スノーシューを背負った男性が登って来た。

大きなピッケルを持っている。

今日お会いした人たちは全員ピッケルを持っていた。

やはり冬山にはピッケルが必要かなあ?

急な細尾根を降りるのはやはり緊張する。

どちらに滑り落ちても怪我だけではすみそうに無い。



段々空が明るくなってきたが太陽は顔を出さない。



水場分岐を過ぎて先程のトラバースは通らずに大岩の上に向かう。

しかし途中でやはり岩を巻く所があり緊張する。

岩の東側は大きな氷で覆われている。

岩を越えると西島分岐までは雪原となる。

西島分岐からのトラバース道は朝の二人しかトレースが付いていない。

トラバースは危険なので、気持ちを登りモードに切り替えて剣山に登り返す。



黙々と登って12時52分剣山山頂に帰ってきた。



頂上は痛い程の雪交じりの風が吹き付ける。



ヒュッテの気温はマイナス8度

簡単に食事をして下山

足跡が増えている。

あれから何人も頂上に登ってきたようだ。



ドンドン降りていくとアイゼンなしの男性が確りした足取りで登って来た。

刀掛けの松まで来ると朝のお二人が休憩されていた。

アルプスなどの雪山も経験されているらしい。

二年前の雪の時期に三嶺から天狗塚を縦走して趣味山さんやエントツ山さんとお会いしたらしい。

手製のピッケルなどを見せてもらいしばらくお話をする。

私のホームページを紹介する。



西島まで帰ってくると若い男女の4人組が食事中。

14時31分登山口着



気温はマイナス5.5度

駐車場まで来ると長野と高知と徳島の車が増えていた。

香川のお二人からチョコレートをいただく。

帰る準備をしていると長野と徳島の登山者が帰ってきた。

なんと長野の登山者は刀掛けの松の上でお会いした男性だった。

凄い健脚だなあ。

香川のお二人にお別れして帰ると車道は雪で轍が消えていた。

少し下ると、なんと3台分の自転車の轍がある。

所々で押したのか足跡が付いている。

雪が少ないとはいえ自転車では大変だっただろうと思う。

今日は、念願だった積雪期の次郎笈に登る事が出来た。

積雪が少なくしかも新雪で凍っていないし、トレースが確り付いていて恵まれた状況だった。

それでも剣山とは違う緊張した登りだった。

積雪が少なくなって、今年はこのまま春が来るのだろうか。




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