一の森(冨士の池 にくぶち峠コース) 09/09/05
里山倶楽部四国編
リベンジ にくぶち峠

冨士の池 〜 にくぶち峠 〜 一の森 〜 追分 〜 冨士の池

先月8月22日に土砂崩れで敢えなく敗退した「にくぶち峠〜一の森」に再度挑戦したいと家内が言う。

私としては、中津峰山でタマゴタケやチャボホトトギスをゆっくりと楽しみたいと思っていた。

にくぶち峠へのトラバース道はきっとまだ整備されていないだろう。

ザレて滑りまくる道を登るのは嫌だなあ!!

しかし、逆らうわけにはいかない。

意を決して冨士の池の登山口に向かう。



7時24分、出発

ナナカマドの実が赤くなっていた。

標高1100m位



竜光寺へと登っていくと藤の池




竜光寺(富士の池本坊)
りゅうこうじ
コリトリ川から一の森へ至る登山道の途中にある真言宗の寺で、弘仁6年弘法大師の開基と伝えられる。平国盛が安徳天皇を奉じてこの地に来り、寺を行在所とし、国盛は剃髪して竜光房と号し寺名も竜光寺と改称した。その後、天文年間に僧清円が中興したという。寺宝として、大御堂に本尊の阿弥陀如来像をはじめ6体の仏像がまつられている。




お寺だが、本殿の裏に神社建築特有の本殿がある。?



富士の池谷の向こう岸の作業道を巻いていく予定。

寺の裏から登山道に入る。



剣山神社冨士の池本宮
つるぎさんじんじゃふじのいけほんぐう

安徳天皇、治承4年6月2日、都を摂津福原に遷し賜い源氏の追尾を慮りつつ、木屋平に行在所を定め給う。平家の逆境を挽回なさんがため、この四国太郎山の中腹の冨士の池に、天皇佩せの御剣を天に奉りて武運長久の御祈願ありし故、この山を剣山と改称し、神社を建築せしめて御剣の神霊素孟男命を祀られ賜う。

剣山本宮祭りでは神輿を山頂にかつぎ上げる。

夏の間、ご神体は剣山山頂の剣山本宮剣神社に祀られている。



立派なミズナラの大木。



7時44分作業道着。

追分けに向かわずに左へと作業道を歩く。



ノリウツギがまだ元気に咲いている。

作業道の路肩は所々大きく崩壊している。



シコクママコナが群生。

サワオトギリも咲いている。



シコクブシが所々に咲いている。



谷の向こうに龍光寺が見える。

ミヤマウズラみっけ!



所々に急な沢が流れ落ちており滝の様。



シラネセンキュウが咲き始めると秋の気配が深まる。

ヒゲみたいなのは?



ヤマシロギクが咲いている。

もう菊の季節になったんだなあ..

ヤマトウバナも沢山咲いていた。



8時15分登山口着。

所が何か気配がおかしい??

サルが興奮して騒いでいる。

登山口から少し上がったところに何かいる。

落石の音がして、ゆっくりと右へと移動している。

二本のストックを打ち鳴らし、カチャカチャと大きな音を立ててみる。

それでもゆっくりと落石の音をさせながらバリバリと樹木を踏んで斜面を移動していく。

サルがいよいよ騒いでいる。

鹿ではない様だ。

誰か登山者が入っているのかな?

まさか○マでは??

しばらく待って音が右の斜面の方に去っていったので登り始める事にする。

8時22分

標高1220m位



やはり登山道はザレていて赤テープを頼りに登る。



前回の経験から早めに左の涸れ沢を越えていく。

この赤テープからこの前は上に行ってしまった。

左へとトラバース道を探すがなんて事!既にかなり上まで来てしまっていた。

下りている踏み跡があるので、最近誰か通ったのだなあと安心して下るがかなりキツイ。



なんとこの足跡は前回私達が下りた足跡だった。

トラバース道が崩壊している手前まで来ると足跡はそこで終わっている。

私達が諦めて帰ったところだ。

崩壊地を這う様にして斜めに下っていく。

崩壊地を越えて登りとなってもトラバース道の踏み跡は薄い。



道が益々荒れてきて慎重に進む。



そのうち踏み跡が全くなくなる。

ガレ場のトラバース道は踏むたびに崩れて、笹も木の根もないので、一歩一歩足下を固めて進む。

滑り落ちると大けがをする。

沢に出て古い赤テープを辿って登るがテープが突然消える。

私が偵察に上に登るがどんどん南に向かって登っていく。

これはおかしい。

赤テープまで戻って更に沢を下りながら渡ると左下に赤テープが見える。



何で赤テープが上にあったのだろう?

昔の残置テープかな?

紛らわしいなあ。

また怖々下り、滑りまくる斜面を必死に登っていく。

細かな砂利の斜面はストックも効かず本当に大変。

危険箇所を何回か越えて、皆さんのレポートにある倒木にやっと到着。

此処から直登も出来る様だがそのまま進む。



登山道が左から右へと横切っており、突然踏み跡が多くなる。

最近は違う道が使われているのだろうか。

道が明確になる。

峠手前にも左下に道があり赤テープが付いている??

作業道から此処に直登した方が楽かも。何しろ標高差は100mも無いのだから。

9時51分にくぶち峠着。

作業道登山口から1時間半も掛かってしまった。

標高1320m



峠には天神丸から日奈田峠を越えて稜線上のしっかりした登山道が延びて来ている。

スーパー林道へ下りる道もしっかりとしている。

江戸時代、にくぶち峠は剣山講の要所だった。

かって那賀郡の信者は、例えば木頭からだと平家平の西の岩倉峠を経て木沢入りし、

にくぶち峠から富士の池に下った後、身を清めて一の森経由で剣山にむかったと言う。

すごいなあ!



にくぶち峠からはしっかりとした素晴らしい登山道。

1389mのピークを越える。



立派なブナに感動。



先週とうってかわって涼しい風が吹く。

汗をかいた体には寒く感じられるくらいだ。



ブナの森を越えるとリョウブの古木の森となる。



岩場が多くなる。

左に見えるピークは?槍戸山ではないみたい。



シコクシラベの森を越えて少し下ると湿地帯の鞍部に着く。

右の大きな池は水がない。



ダケカンバの緑が美しい。



雨の後しか水はないみたい。

10時38分 池の窪

標高1480m位



左の小さな池も覗いてみるが鹿の足跡があるばかりで水はない。



道が急となり、苔の綺麗な岩場となる。



シコクシラベの道が何処までも続く。



盛りの過ぎた白い花の向こうに笹原のピークが見える。

あれが一の森か?どうも違うみたい。

一の森からスーパー林道へと下る一つ南に稜線の1630mのピークの様だ。



クマザサが深くなり分岐が近いかと思ったがまた岩場となる。



アカカンバが多くなると一の森が近づいたと感じる。



一瞬目の前が開ける。

一の森はまだまだ遠い。



コケの岩道を登ると開けたところに出る。



振り返ると左に榧の丸からにくぶち峠。

右には1605mのピークとその向こうに先週登った平家平



天気が良くなり暑くなってきた。笹埃で喉が痛い。



11時38分、追分けからの登山道に交わる。

座り込んで休憩。



一の森に向かうと眺望が開ける。

先程歩いた稜線が見える。



クマザサの道を登るとアカカンバの林に入る。



一の森ヒュッテと一の森頂上が見えてくる。



11時55分一の森ヒュッテ着

ご夫婦と大阪からやってこられた男性一人が休憩されていた。

冨士の池からなんと4時間半も掛かった。



ヒュッテの花園には今年初めてのリンドウが咲いていた。



シコクフウロはまだ一面に咲いている。



オタカラコウが群生する道を一の森山頂へ向かう。



平家平がヒュッテの向こうに見える。



白骨樹のオブジェ



太郎、次郎の兄弟が今日も仲良く並んでいる。

その真ん中奥の三男は霞んでいる。



三角点から今日歩いた稜線を探す。



あの緑の笹原の稜線の向こうを登ってきた。



お気に入りの槍戸山の見える岩場でゆっくりと昼食。

涼しい風が吹いて気持ちが良い。



木沢アルプスが目の前。

中央奥が平家平



ヒュッテに戻ってくると若い夫婦がレイジンソウが咲いているはずだがと話し合っている。

ヒュッテ入り口に群生しているレイジンソウを案内。

ソバナやクガイソウはもう殆ど散っていた。




ホソバノヤマハハコやアキノキリンソウは花の盛り。

ヒュッテに入り内田さんに挨拶。

久しぶりにゆっくり話し込む。

内田さんの淹れてくれたコーヒーは美味しい。



13時38分下山開始



ガスがひいて白骨樹が輝いている。



天神丸や高城山も見える様になった。



にくぶち峠分岐で家内が石に躓いて蛙の様にグシャッと転倒した。

勢いで1m位宙を飛んでバウンドした。

幸い柔らかな道で岩もなく怪我無く無事。

(翌日両肘、両膝があおじになっていた)

その後、快適な道を下る。



14時16分追分分岐着。

昔はコリトリから多くのバスの便があったんだなあ。



しばらく休憩して出発。

ブナが素晴らしい。



ひたすら下りて14時42分作業道着。



更に下って龍光寺に14時56分着。

ヒュツテからの下りは1時間20分足らず。

登りは4時間半も掛かったのになあ...



駐車場に帰ると一の森で休憩されていたご夫婦に会う。

龍光寺で住職さんと話し込んでいたらしい。

龍光寺は無人かと思ったが住職さんが住んでおられるんだなあ。

にくぶち峠までの登山道は厳しい道だったが、にくぶち峠からは素晴らしい自然味溢れた道だった。

何とか前回のリベンジも出来て家内は満足。

それにしても登り口の上にいたのは何だったのだろうか?

まさか???

冨士の池作業道からにくぶち峠への道はおすすめできません。

もし歩かれる場合は十分注意してください。



里山倶楽部四国編

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