春の里山 西三子山 坂本「おひな様の奥座敷」  2010/3/7
          里山倶楽部四国編 

− 福寿草も凍える西三子山 樹氷を楽しむ −

「おひな様の奥座敷」坂本

グランマー啓子さんや、REIKOさんからおひな様の便りが届いた。

昨日に続いて今日もまた雨の予報。

雨の日の旧家のお雛様もまた良いかも?と「おひな様の奥座敷」坂本のお雛様を見に行く事にする。

所が家内が「勝浦に行くのなら西三子山の福寿草も見に行きたい」と言い出した。

小雨が降っているのに「福寿草」??

「きっと花は開いていないよ」と思うが仕方がないのでまず西三子山に向かう。

勝浦に入ると濃いピンクの桜がアチコチで満開。

彼岸桜かな?

随分早いなあ!帰りにゆっくり見よう。



10時19分電力鉄塔巡視路登山口から出発

20分程急坂を踏ん張る。



トロッコ道に出ると水平道となりのんびりと歩く。

所々崩壊しているが上巻きして行くと危険はない。



アセビの大木が真っ白に花を開いていた。

後山峠11時11分



88番鉄塔に向かう

標高が高くなってきたのでアセビはまだ咲き始めたばかり。

ピンク色が残る。



ガスの為88番鉄塔からは雲早山や高丸山の稜線は全く見えない。



だんだん雨足が強くなる。

まずは福寿草群生地へと向かう。



雨の為苔むした石灰岩が美しい。

シコクブシの葉も出始めていた。



倒木をいくつも潜ったり跨いだりして、やっと群生地に着く。

丁度12時木沢の時報が聞こえる。

福寿草はアチコチに咲いているがやはり雨の所為で綺麗に開いていない。



霧雨の中ブナの林に咲く福寿草もまた雰囲気がある。

家内は喜んでいる。



しばらく福寿草を楽しんで頂上に向かう。

岩場にさしかかるとなんと「霧氷」が残っている。



少し融け始めているがまさしく霧氷が氷になっている。



かなり寒くなってくる。

独特の石灰岩の岩陰でコーヒータイム

冬用のゴアテックスのジャケットにフリースも余分に着込む。

西三子山の石灰岩の地層は2億8千年〜2億5千年前のものらしい。

ペルム紀末の生物の大量絶滅(三葉虫など地球上の生物の95%が絶滅した)により

古テチス海の海底に積もった生物の死骸のカルシウムが岩となり

大量絶滅の原因となったプレート移動に伴う火山活動で出来た玄武岩がその周りをとり巻いているようだ。

この当時、すべての大陸が集まり超大陸パンゲアを形成しており、その内海が古テチス海だった。

その後ジュラ紀初期には超大陸パンゲアはまた分裂し新世代(2千万年前くらい)にほぼ今の5大陸となった。

その大陸移動で古テチス海の底にあった石灰岩の地層はスイスのアルプスやヒマラヤ

そして中国や日本に別れていった。

風化しにくい石灰岩は2億5千年の時を越えて厳しい山岳を形成しているという。

アイガーやエベレストと西三子山の石灰岩が元は同じ所で生まれた兄弟??

気が遠くなるほどの時の流れを感じながら飲むコーヒーの味は格別だった。



ブナの枯葉も凍っている



せっかく芽吹いた蕾も氷の中



いつもは高城山の見える稜線に出て右に曲がるとそこは激寒期の山の様相。



着氷したブナの枝がアチコチで折れている。

氷の重さに耐えきれなくなったのだろう。



素晴らしいブナの霧氷に感激



素晴らしい霧氷に見とれながら頂上に12時57分着



人っ子一人居ない。

素晴らしい霧氷を楽しんでいたいが冷たい雨が吹き付ける。

顔が痛い程冷たい。



これでは食事も出来ないので早々に下山。

ガスに霞むブナやヒメシャラが神秘的



後山峠からは坊主山がボンヤリ



下山路に黄色い花が?

花がリボンの様なのでマンサクかな?



14時15分登山口着

いつの間にか沢の水量が増えてゴウゴウと流れていた。

車の中で昼食。



月が谷温泉付近では10月桜が満開。

上勝から勝浦に向かうと朝見た色の濃い桜が満開。

やはりヒガン桜の様だ。

見事に咲いている。

天気が悪いのが残念



新坂本トンネル手前から左へと旧道に入る。

子供の書いた可愛い絵の手前に駐車し傘を差して歩き始める。

道端にはムラサキケマンが群生。

ノジスミレやタチツボスミレそしてキランソウなどが沢山咲いているが雨に濡れてしかも暗いので旨く写せなかった。



小屋の前にもおひな様が飾られている。

小雨が舞って寒そう。



小屋の軒先や庭先にもお雛様

庭のお雛様は傘を差している。

桃の花が彩りを添えている。



雨に濡れない様にベットボトルの中に入ったお雛様。



此処にも見事なヒガン桜



農家の軒先のお雛様はビニールに覆われている。



濡れてもお構いなしのお雛様も



引き返して森本家に向かう。

森本家は古いミカン農家

ヒガン桜の大木のある谷間にひっそりと建っている



森本家は徳島の普通の山里の農家

納屋の前にはお雛様の俳句が掲示されていた。

可愛いお雛様



母屋の座敷には屋敷造りのお雛様



渡り廊下には遊山箱とお雛様

徳島特有の遊山箱のお寿司やようかんは本物



離れのお座敷は二間続きの部屋にビッシリとお雛様が並べられている。

柿本尚子さん作の源氏物語「蛍」のフランス刺繍の屏風とお茶会のお雛様



まつげのあるお雛様

お手毬をしているお雛様



賑やかなお雛様一家

おはじきや投扇興、歌留多取りそしてお琴に興じている。

貝合わせの貝なども飾られていて、雅やかな世界が広がっている。

お内裏様は大正元年の作

一度嫁入り道具として出て行かれたが今は里帰りしているそうだ。



「ウェルカメのお雛様」

急の坂本トンネルを越えて行くと道端には沢山のお雛様。



小雨が残念だが寒くてもお雛様を見ていると心が温まる。



郵便局にもお雛様

今日は思いもかけない霧氷を楽しむ事が出来てラッキー

明日からはまた暖かい春の陽気に戻るのかな?





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