冬の里山 大山(おおやま 691m) 観音道  2010/2/27
          里山倶楽部四国編 

− 古道観音道から大山山頂へ、そして大山寺から遍路道周回 −

先日、中津峰でお会いしたご夫婦に教えていただいた古道観音道から大山へと登り

帰りは大山寺から遍路道を下り周回したいと思っていた。

この大山の観音道は江戸時代からある信仰の道だそうだが最近まで荒れていたらしい。

地元の「観音道保存会」の方々が古道復元に努力され快適な道になっていると言う。

陽気も良くなったので、まーくつうさんアトミックさんのHPを参考にして歩く事にした。

出発点の和泉寺を目指すがよく解らない。

カーナビに泉谷川のあたりを登録して出発。

高速道を潜って御所カントリーの入り口分岐を通り過ぎると和泉寺があった。

皆さん、御所カントリーを目指してくると解りやすいですよ。

お寺の直ぐ下手に看板がある。

車は和泉寺の駐車場に停める事が出来るそうだ。



看板の下に地図が用意されていた。

ありがたく利用させていただく。

地図には観音像の番号と道程が記入してある。

出発の準備をしているとパジェロイオで男女三人連れがやってきた。

登山準備をしているので同じ道を歩くのかな?



まずは和泉寺にお参りする。

和泉寺は高野山真言宗のお寺

立派な山門がある。

鐘撞きの紐が下がっているので撞いてみるが鐘や撞き棒が見えないのでタイミングを計るのが難しい。



歴史を感じさせる仁王像



和泉寺(阿波西国26番). わせんじ

当寺は延歴14(795)年の開基で、十一面観世音菩薩を本尊としている。
弘法大師が四国御巡錫の節、当地の秀麗にして静寂なる浄域を大いに好まれ、
何日も当寺で真言の修法をなされたとのことである。



10時5分出発

33番の観音像は何処にあるか解らない。

本堂脇から車道に下りて少し引き返すと18丁の道標がある。

32番の道標に従い左へと曲がっていく。



道端に32番千手観音像発見

また、車道に戻り200m程 南方向へ歩き、「青の洞門」の案内板のところから東に入る。



この辺の田や畑には猪避けの高圧電線が張り巡らされている。

通る時はこの緑のグリップを握って電線を留め金から外して通る。

竹のトンネルから観音道の始まり。



立派な仮設若宮橋で泉谷川を渡る。

セメントの道を登ると農家(吉岡さんち)の前を通る。

丁度おじいちゃんとおばあちゃんが農作業中。

「おやまかね、今日は風が強いのでお山は寒いかもしれんよ」

ご挨拶して先に進む。



石の常夜灯から左へと進むと大山道の道標がある。

地元の方はこの道標を「善光寺さん」と
呼んでお祀りしているらしい。


高田さんちの立派な土塀横を登って行く。



山道にさしかかると眉山方向の見晴らしがよい。

30番千手観音から右へと進む。



道路にも高圧電線が通っている。

電線が見えにくいので赤い椅子を置いてある。

29番11面観音



右へと荒れた山道に入る。

ここにも電線があるので気を付けて跨ぐ。

大山寺まで3.5q



残された石垣や沢の道を進む



25番千手観音から右へと急坂を上ると突然見晴らしが良い所に出る。



明るい登山道となり気分も軽い

今年初めてのタチツボスミレが咲いていた。



23番千手観音から尾根道になる。

南には御所カントリー



眼下には吉野川が緩やかに蛇行して流れている。



22番千手観音を過ぎると徳島山地の展望所に着く。

アトミックさん手作りの山名を示したパノラマ写真が貼ってある。

今日はあいにく曇っている。



開けた所に21番聖観音像?

見事なヤマツバキの花が咲いている。



20番を越えると自然味豊かな山道となる。



可愛い顔をしたお地蔵さんが出来たばかりの祠の中で微笑んでいる。

祠の後ろの大きなシキミの木には花が咲いていた。



19番からぐるっと回って青いネットの横を下ると18番。

片膝を立てて如意宝珠と法輪とを持っているので如意輪観音像かな?

農道に出合いデリカが放置してある。



林道を行くと首無し地蔵。

放置された柿の畑が多い。



17番聖観音?から大山寺への車道に出る。

車道脇にはまだ栽培されている柿園



少し車道を行くと直ぐに右へと観音道に入る。

リョウブの多いなだらかな道を進むと13番

左手に蓮華を持っているので聖観音像



涸れ沢を渡ると炭焼き窒跡がある



12番千手観音を過ぎるとなだらかな山道



11番11面観音

10番千手観音と続く



トラバース道は所々細くなり岩が崩れている所もあるがトラロープと木の手すりがある。

9番の付近の道も少しザレているが木の土砂止めが設置されている。



8,7番観音像のあたりは開けた道となる。



立派なヤマザクラの木がある。

春には綺麗な花を咲かせる事だろう。



6番を過ぎると色々な樹木が目に付く

縦に深く灰褐色の樹皮が割れ、不規則な紋様を作っているのはカブトムシなどが大好きなクヌギ

マスクメロンの様な樹肌の木はアカメガシワだと思う



表面が滑らかで白い縦の樹皮模様があるのは四国の里山に多いイヌシデ



5番は見あたらない。

4番3番と続く



2番の聖観音像を過ぎると古いセメント道に出る。



1番らしき?石像(一寸観音像に見えない)に着く。

11時50分

左へと新しく整備された登山道を登る。

今まで緩やかな道だったので登山道の傾斜がきつく感じられる。



20分程急坂を頑張ると大山寺からの舗装路に出る。



黒岩大権現に向かう。

常夜灯には文政酉年と刻まれている。



趣のある石段を登る。



立派な黒岩大権現に着く。

戸を開けてお参り。

大権現との事だが造りは全く神社?



役行者のような石像が祀られている。

波切不動尊?

暖かいので虫たちが這いだしていた。

大きなムカデも這い回っていた。



お堂の左から頂上に向かう。



12時25分頂上着。一等三角点がある。

直ぐ横に珍しい四国では二カ所しかない八角形の「天測点」がある。



頂上からは引田方面や鉢伏山方面への道が下っている。

頂上は見晴らしは悪いし、例のごとく粗大ゴミが放置されていた食事をする気になれない。

大山寺の境内まで下る事にする。



12時51分大山寺着

観音道の看板が設置されていた。

大銀杏は冬の装い



徳島で一番古いと言われている弘法大師縁の古刹にお参りする。



此処で護摩供養が行われる様だ。

次回は4月4日と書いてある。

大山寺の本尊は千手観音

此処にも西国33番の観世音菩薩が並んで祀られている。

天保三年二月と刻まれている。



境内で食事をしようと思ったら小雨が降ってきた。

屋根のある所を探して下りていくと立派な仁王門



ヤブツバキが満開



大山寺の大杉は見る度に立派になっていく



雨は止んだがゆっくり座れる所がない

遍路道を下って行く

広くて良く整備された道が続く。



遍路道は何回か車道を横切る。



四国の道の標識の下で遅い昼食。

天気は良くないが気温は高い。



昼食後柿園の中を下りていく



高速道の建設の為に移設された野神社にお参り



春を待つ柿園を通り過ぎて一旦高速を潜り西へと向かう。

直ぐにまた高速の北側の道に戻り高速道に沿って進む。



20分程進むと朝通った常夜灯に戻ってきた。

仮設橋を渡った所で家内が青洞門に行きたいと言いだした。



引き返してまた仮設橋を渡る。

橋を渡った所から左へと進む。

こんな所にガードレールが?

昔は大勢来たのかなあ?



青く澄んだ水の流れの向こうに綺麗な滝が流れ落ちている。



汚い所に高さ1m程の岩穴が開いている。

ライトを点けて入るが5m程で行き止まり



裏に回ろうとすると道が崩れている。

鎖があるので掴まって下る。

岩の向こうに洞門が抜けているかと思ったが?



何の変哲もない崩れた河原があるばかり。

また和泉寺に引き返して帰宅。

大山観音道は予想以上に自然味豊かな素晴らしい道だった。

「観音道保存会」の皆さんありがとうございました。


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