初夏の里山 竜峠 東尾 ジンリョウユリ   2012/06/03
ホームページ里山倶楽部四国編 

- 東尾のジンリョウユリ 踊石のサラサドウダン -


昨日は3万4千歩程歩いた。

疲れか残っているので買い物でもして過ごそうかと思っていたら家内がジンリョウユリを見に行きたいと言う。

ジンリョウユリを見るだけならら、帰りに買い物にも寄れると思いゆっくりと出発。



持井橋に向かうと長い間工事中だった峠に新しい道が出来ていた。

大龍寺までの那賀川沿いの道も拡張工事が進み走りやすくなった。

長安口ダムの橋を渡って直ぐに右折し東尾に向かう。

2時間ほど走り竜峠登山口の手前に駐車

先着車は1台だけ

ジンリョウユリ群生地に向かうと一人300円の見学料が必要となっていた。

このジンリョウユリの保護は吉田さんが殆どお一人でやっているが電気代や保護網などの経費が大変だと思う。



今年のジンリョウユリの公開は今日が最終日

満開のジンリョウユリが出迎えてくれた。



甘い香りが漂っている。

ジンリョウユリは咲き始めは色が薄くだんだんと色が濃くなる。



去年は初日に来たためジンリョウユリ独特の濃い色の花は少なかった。

今日の花は素晴らしい濃い色

そのうち高知の団体がやってきて歓声を上げながらしきりと撮影を始めた。

素晴らしいとみんな感激をしている。



ツボミも少し残っている。

若い3枚葉の株も沢山あり来年も期待出来そう。



かなり広い自生地をゆっくりと散策する。

吉田さんによるとジンリョウユリはいくらでも生えてくるそうだ。

しかし保護をしないとみんな動物に食べられて仕舞い絶滅するとか。

特に鳥が新芽や実を食べ尽くすというのには驚く



お寺は裏の崖の土砂崩れで崩壊している。

花を十分に楽しんでから吉田さんからしばらく苦労話をお聞きする。

吉田さんは、この東尾の生まれだが若い時に徳島市に出て行ったそうだ。

なんと私の実家の直ぐ近くにお住まいで、私の父を良く知っておられた。

父が亡くなってからもう30年以上がたつ。

もう父のことをご存じの方は殆どいなくなった。

しばらく懐かしい話をお聞きする。

最近は1年の半分を此処で暮らしているそうだ。



駐車場に帰るとウツギが満開



ユキノシタやハハコグサも群生していた。



このまま帰るのかと思っていたら家内が竜峠に登ってから帰りたいという。

大変だ。

竜峠のことはレポートで読んだことはあるが詳しくは知らない。

まあ、10年くらい前に登山道が整備されて道標も確りしていると言うから大丈夫だろう。

10時27分、立派な登山口の看板から出発

標高は670m

直ぐにまだ新しい家の前を通る。

立派な家だが誰も住んでいないようだ。

畦道を行くと黒い蛇が二匹も現れる。

嫌だなあ。

帰りたくなった。



讃岐富士さんのレポートで見たことのある民家の前を通る。

おばあちゃんはあれから帰ってきていないのかな。

レポートにあった自転車はまだキラキラと光って置いてあった。



植林帯に入ると道が良くなった

崩れた最終民家跡を通る。

電線が残っていて此処まで電気が来ていたことが解る。



東尾(頂上)まで2.1キロの標識

竹ヶ谷とは相生の紅葉川温泉から奥に入った集落だと思うがこんな所から行くことが出来るのだろうか。

簡易水道の取水場があり、まだ水の流れる音がしていた。



フタリシズカだけが沢山咲いている

緩やかな作業道を上っていく。

ものすごく大きな一枚岩があった。



それからも大岩の横を何回も通る。

また竹ヶ谷の標識



1.5キロの看板を過ぎるとやっと山道らしくなり急坂となる。



何回も荒れた沢を渡る。

立派な滝もあった

ナベワリは既に実になっていた



やがて杉の植林帯に来る。

杉はきちんと枝打ちされてすくすくと育っている。



植林帯を過ぎるとまた沢がありタニギキョウが沢山咲いている。

此処のタニギキョウは花が大きい

この辺の道もきちんと石積みがされている

昔は重要な生活道だったようだ



踊石分岐を左へと竜峠に向けて進む



雰囲気の良い広場を過ぎると竜峠に着く



11時40分着

涼しい風が上勝町方面から吹き上げてくる。

ここから上勝町に降りることが出来るはずだが登山道や踏み跡は見当たらない。



東尾(頂上)に向けて階段を上る。

10数年前に整備されたという登山道はかなり痛んでいてかなり急だ

階段の上は更に急でロープの助けを借りて登る。



やがて緩やかになりオンツツジの落花が綺麗な広場に着く



少し行くと頂上がある

東尾1159m(1169mは間違い) 11時56分着

登山口から1時間半程かかった。

二等三角点「東尾」がある。



ベンチもあるが昼飯は踊石で食べることにする。

踊石へは緩やかな道



ドンドン下って行くと踊石への分岐がある



大岩の間に竜王社がある。

この踊石には東尾と竹ヶ谷と上勝の3つの社が祀られているらしいがここには二つしか見当たらない

「あー 故郷 竹ヶ谷」の歌詞が置かれていた。

この竜王社は竹ヶ谷の住民が祀っているのかな?



直ぐそばの大岩の上にも祠が祀られている

祠から少し行くとサラサドウダンツツジの看板



半分折れているが樹齢200年とは凄い

綺麗な花が咲いているが花の数は少ない。



踊石は5メートル四方ぐらいのさざれ石で出来ている。

上面は平らで昔、雨乞い踊りが踊られたと言うこともうなずける。



正面には鰻轟山などの県南の山が連なる

真下には長安口ダム



小学生などの登山記念碑が沢山ある。

昔は学校登山が催されていたらしい。



食事が終わって上を見上げると凄い!!

サラサドウダンの大木が此処でも花を咲かせている。

木一杯にあふれるように花が咲いている。



何時も見ていたサラサドウダンに比べて花がとても大きくて更紗模様も色が濃い

調べると此処はサラサドウダンツツジの南限生息地らしい。

ため息を漏らしながら何十枚も写真を撮る。

サラサドウダンは関東などには多いが四国では少ない。

中津峰山の岩場に少し咲いていたが心ない人に切り倒されてしまって今は見ることが出来ない。

この見事なサラサドウダンがこれからも何百年も生き残って欲しい。

ジンリョウユリ保護の吉田さんは鹿の食害を防ぐためサラサドウダンの幹にも金網をして保護をしているらしい。



踊石から東へ進むとピークがある。

此処にも沢山サラサドウダンの大木がある。



踊石などの大岩はみんなさざれ石 で出来ている。

この石は学名を石灰質角礫岩と云う。

石灰石が雨水に溶解してその石灰分をふくんだ水が時には粘着力の強い乳状体となり、

地下において小石を集結して次第に大きくなるらしいがこんなに大きなさざれ石は珍しい。

でもサラサドウダンツツジは蛇紋岩地帯に良く咲くと言うが??

十分に楽しんだので下山開始

分岐から左へと降りていくが杉の落ち葉で登山道が良くわからない



どうもおかしい通ったら鋭角に曲がる所を直進してしまった

直ぐに引き返して事なきを得る



ちょっと疲れて足が重い。

沢の岩場は注意して下る。



帰りにもまた蛇に出会う



14時16分駐車場に帰ってきた

今日は素晴らしいジンリョウユリと思いもかけない立派なサラサドウダンツツジに出会うことが出来た。

家内は高丸山に行く度に気になっていた龍山(上勝町では東尾を龍山と呼ぶ)に登ることが出来て大満足






里山倶楽部四国編 
ホームページにも是非お立ち寄りください
inserted by FC2 system