秋の里山 蒜山三座縦走  2012/09/22
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- 犬挟(いぬばさり)峠から、下蒜山、中蒜山そして上蒜山縦走 -

下蒜山(標高1100m). 中蒜山(標高1122m). 上蒜山(標高1202m)

蒜山三座は、岡山県と鳥取県の県境にある1100~1200mの山で、約60万年前
に活動を停止した古い火山だ。

眼下に蒜山高原を見ながらの縦走コースはアップダウンがあり厳しい。




中蒜山から上蒜山へは3年前に歩いた。

そして下蒜山から中蒜山へは昨年歩くことが出来た。

いずれも下山後は車道を登山口まで歩き周回をした。

今年は、是非蒜山三山を歩き通してみたい。

でも、下山後登山口まで歩いて帰るのは無理なので周回は諦めて縦走だけにした。

朝4時半に自宅出発。

蒜山SAで朝食後上蒜山駐車場に向かう。

7時40分頃上蒜山スキー場駐車場着

蒜山タクシーに電話してから登山準備

10分程でタクシーがやって来た。



挟峠まで3,250円

出発準備をしていると青年4名のパーティから写真撮影を依頼される。



8時13分出発



ミゾソバが群生している。

他の場所のミゾソバより花が大きくてピンク色が鮮やかだ。

徳島ではあまり出会えない花なので暫く見入ってしまう。



ワレモコウも沢山咲いている。

今年は大川原高原で見ることが出来なかったので出会えて嬉しい。

青年達はあっという間に見えなくなってしまった。



鮮やかな色のツリフネソウが沢山咲いている。

大山や蒜山にはこのピンクのツリフネソウが多い。

反対に徳島に多いハガクレツリフネやキツリフネはあまり見かけない。



ツルニンジンもまだ沢山咲き残っている。

そう言えばこの花も今年は中津峰山でまだで会っていない。

何時も徳島で出会う花よりも花の内側の赤色が濃い。

黄色のノササゲも少しばかりだが咲いている。



クリーム色のキバナアキギリやヤマハッカも一面に咲いていてなかなか先に進むことが出来ない。

ヤマハッカと思われる花は、サンインヒキオコシかも知れません。



所々でよく見かけるが?の実とツルリンドウ

トチバニンジンだと教えて戴きました。

焼山寺山などで良く出会っていたのですが、物忘れがひどくて困ります。



トゲのないアザミ?が沢山咲いている。

タムラソウとは葉が違うようだが?

ウスバアザミかな?

道の両脇はツリフネソウが群生している。



やがて鎖とロープがある階段が現れる。

花弁の不揃いなシラヤマギクが丁度花の盛り。



三合目8時39分

ヤマハッカが多い。



ツルニンジンも至る所に咲いている。

シシウドが沢山咲いていた



イヌタデが多くなると5合目に着く

8時51分

笹が多くなる。



ホクチアザミが花を咲かせ始めている。

マツムシソウみっけ。

家内はこの花が大好きで、今日下蒜山に来たのはこのマツムシソウに会うことが第一目的だ。



タムラソウも沢山咲いている

ススキの揺れる緩やかな道を登って行く。

4人組の青年達がもう雲居平に立っている。

はやいなあ。



だんだんススキやササが深くなる。

去年はもっと歩きやすかったのに。



蒜山高原を見下ろす。

今日は天気が良いはずなのに段々ガスが出てきている。

マツムシソウは既に花期が終わり近いようだが、それでもまだまだ綺麗だ。



大好きなマツムシソウを楽しみながら行くのでなかなか足が進まない。

ツリガネニンジンはもう花が終わりかけている。



登るにつれてマツムシソウが多くなる。

セリ科の花はウィキョウかな?



オミナエシはまだ蕾



オケラの花が多くなる

カワラナデシコの咲き残りが一輪



9時6分雲居平に着く

益々ガスが出てきて見晴らしはあまり良くない



少し休んで出発。

下蒜山への急登を何人か登っているのが見える。

青年達は早い。

ドンドン追い抜いて行っている。



ウメバチソウの咲き残りが一輪

ここからもマツムシソウが多くなる



アメリカセンダングサが沢山咲いていて足に絡む

やっと綺麗なツリガネニンジン発見



7合目に着き上ってきた稜線を振り返る。



ワレモコウが綺麗に咲き残っている

北を見ると海岸線と沢山の風力発電用の風車が見える。



ハクサンフウロも咲き残っていてくれた



大きな花のリンドウが咲き始めていて綺麗だ



アキノキリンソウは花の盛りだがヤマラッキョウはまだ蕾



汗ビッショリになり急坂を登ると9合目着。

9時41分

頂上はもうすぐ



多くの下山者に会うようになる。

ご夫婦二人だけの下蒜山頂上に着く

9時55分

花の撮影に時間が掛かったが、一生懸命に歩いたので出発から1時間42分で着くことが出来た。

頂上でしばし休憩

頂上にいたご夫婦は赤穂から来られたようで、

今年は剣山と次郎笈に登る予定だったが中止となって残念と言っておられた。



此処からは大山が綺麗に見えるはずだが、大山方向は完全にガスが覆っている。



いよいよ今日の最大の難関の中蒜山へと向かって降りて行く。

黒い火山灰の急斜面はとても滑りやすい。

中蒜山から縦走者が大勢登ってくる。

ササの中からリンドウが顔を出している。



イブキトラノオが風に揺れている。



目の前に中蒜山が聳える。

あの急斜面を登り返すのはきつかったことが思い出される。

リンドウが元気よく咲いている。



ササが深くなって足下が見えにくい。

窪みに足を取られて大転倒してしまった。

ストックが絡まって膝を捻ってしまった。



下り一辺倒かと思っていたら、小さなピークを登り返す。

ブナやミズナラの林の中を通る。

キクバヤマボクチ?



イワカガミの葉かな?

春にはアカモノとイワカガミが咲き乱れるそうだ。

ミズナラ?のドングリが沢山落ちている。



ピークを過ぎると中蒜山へと下る稜線が美しい

リンドウが凄い群生



大きなシュロソウの花が終わりかけで沢山実になっていた

また急な下りとなる。



コバノガマズミの実が綺麗

やっと最低コルのフングリ乢に着く。

11時12分

下蒜山から丁度1時間



此処からが勝負所

気合いを入れて、深いササの中を登って行く。

ササが邪魔で掻き分けて登るのが更にキツイ。

ピンクのおそろいのシャツを着た娘さん達が地図を片手に何かしている。

追い越して行くが直ぐにまた追い抜かれた。

何処かの女子高登山部かな?



家内の足が上がらなくなるが励まして登ると冷泉からの登山道と交わる。

此処からはササが刈ってあり歩きやすくなる。

しかし、毎回此処で出会うウメバチソウも一緒に刈られたのか姿を消していた。



ササ漕ぎで随分と体力を失ってしまった。

頂上までの緩やかな道がキツイ。

避難小屋の前に朝駐車場でお会いした男性二人組がいて声をかけてくれた。

12時10分 大勢の登山者が休んでいる中蒜山頂上到着



家内はかなり疲れて写真を撮るのももどかしく座り込んでしまった。

ガスで眺望は全くない。

眼下の蒜山高原がかすかに見えるだけ。



隅のベンチで昼食

キアゲハが飛んできて目の前に留まる。



暫くするとヒョウモンチョウが飛んできた

小さなヒョウモンチョウがキアゲハを追い払う。

ヒョウモンチョウがいなくなるとまたキアゲハがやってくる。

そうするとまたヒョウモンチョウが追い払う。

見ていると面白いが、水たまりもないし花も咲いていないのに何故此の場所が好きなのかな?

写真を写そうとすると、暫く飛び回わるが、そのうちじっと留まって写してくれと言うようにポーズを取る。

かなり近づいても逃げない。

食事後、最近買ったスマートフォンで掲示板に画像を送る。

携帯の時は大変だったがスマートフォンはパソコンと同じなので簡単に画像を貼り付けることが出来た。



随分とゆっくりしたので最後の上蒜山に向けて出発。

キアゲハが、暫く後を追ってくる。

不思議なことだが、何処の山でもキアゲハやヒョウモンチョウは一度写真を写すと名残惜しいように後を付いてくる。

ホツツジが咲いていて可愛い

小さなピークではヤマラッキョウが花を咲かせていた。



此処の下りはほんの少し

コルにはキバナアキギリが群生していた。



鎖のある急坂を登るとコバノガマズミの赤い実が瑞々しい。



少し緩やかになるがまた急になる

テンニンソウが咲いている。



急坂を踏ん張って登る。

此処にもツルニンジン



ツルリンドウやリンドウも咲いてつい足が止まる。



3度程鎖場を越えてやっと上蒜山頂上に着く

13時51分

中蒜山から丁度1時間



三角点に向かうが、ササが深くて大変。

15分程もかかってやっと三角点に着く



帰りもササが邪魔してなかなか進めない。

此処で昔痛めた膝が痛くなった。

下蒜山からの下りで捻ったのが悪かったのだろうか。

ササの埃で気分悪くなった。

上蒜山頂上に戻ると若い男女二人組が楽しそうに写真を撮り合っていた。

暫く座り込んで膝をマッサージするが、水がたまったようにプクッと腫れている。

昔は良く腫れたが最近は直っていたのに最悪。



こうなると膝を曲げると痛みが走るので、左足は真っ直ぐしたまま送り足で降りて行くしかない。

8合目の槍が峰でまた休憩してマッサージ

ママコナのピンクが鮮やか



ガスが少し退いてきたが大山方向はまで真っ白



登山口の牧場がクッキリと見えるようになった。

背の低いミズナラにビッシリとドングリが出来ていた。



オトギリソウは紅葉していた



ツリガネニンジンやタムラソウが綺麗に咲いていて一休み。



やっと5合目まで降りてきた



こんな所にもマツムシソウが咲いている。

2合目からは急階段となる。

階段は深く掘れていて歩きにくい。

半歩毎に送り足で降りるので余計に大変だ。



汗をかきながら階段を下りると森の中の道となる

ツリフネソウの群生の中を行くと林を出て登山口に着く。

16時10分

足をかばって歩いたので、下山に1時間40分もかかった。



ツリバナかな?

黒い種がはじけて見えるが?

谺 拓山 さんにサンショウの実だと教えて戴きました。

サンショウの実は先日高丸山で沢山見ましたが、かなり印象が違うので気がつきませんでした。

葉を拡大してよく見ると確かにサンショウのようです。

枝にトゲもあります。



高丸山のサンショウの実



百合原牧場の中を行くとゲンノショウコが沢山咲いている。



アカバナもあった



農機具が置いてある小屋前には広場があるが、此処に車を停めると農作業に困ると朝の運転手さんが言っていた。

ここから左へと舗装路を行くと別荘地を通り中蒜山や下蒜山の登山口へ行くのには近い。

朝の駐車場は右へと牧場の中の砂利道を下っていく。

イヌタデやミゾソバが花の絨毯のように咲いている。



ススキがすっかり秋の気配



駐車場に16時36分着

三座縦走するのに8時間以上掛かった。

標準タイムは7時間らしいが私達はこれで精一杯。

中蒜山ですれ違った男性二人組がタクシーで帰ってきた。

丁度私達と同じペースで逆コースを歩かれたようだ。

その後、上蒜山で会った若い男女二組と女子高登山部の女性達も降りてきた。



累計標高差 1267m

歩行距離11.8㎞

一日の歩行距離としては大したことが無いが何故か疲れた。

笹漕ぎが原因かも知れない。

また高速に乗り、溝口ICをおりて大山旅館街の川床屋に向かう。

風呂にゆったりと入るともう動けない暫く横になる。

膝が腫れているので湿布を貼るが7~8年程前は良くあったことなので明日は良くなることだろう。



今日の夕食は川床膳

とりあえず生ビールを一気飲み。

沢山の料理はとても美味しかった。

特に鯛の刺身が絶品だった。

この後、熱々の天ぷらも出てビールを追加。

でっかい梨のデザートまで食べて腹一杯。

明日は朝早くから大山に登る予定なので朝食は弁当にしてもらう。

明日までに膝の腫れが引くように願って8時には就寝。

爆睡するが夜中にトイレに起きるとなんと大雨が降っている。

天気予報は晴れなので朝には止むかな?

里山倶楽部四国

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