北アルプス 白馬岳 杓子岳 鑓ヶ岳   2012/07/15~17
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- 白馬大雪渓から白馬三山縦走 鑓温泉 -


その5 雲上の神泉 白馬鑓温泉へ

その1 2 白馬大雪渓

その3 白馬岳 朝日の出

その4 杓子岳 白馬鑓ヶ岳

その6 白馬鑓ヶ岳から猿倉へ



鑓温泉分岐から降りると下ると大出原(おおでっぱら)のお花畑となる。

チングルマやシナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマキンバイ、ハクサンコザクラなどの様々な高山植物が咲き乱れる、

まさに雲上の楽園

ヤハズハハコのピンクの花がもう少しで開きそうだ。



ミヤマタンポポの変種のシロウマタンポポやハクサンイチゲも多い



ミヤマダイコンソウやウルップソウもこれでもかと咲いている。



少し下った砂礫帯のコマクサを写していたら鑓ヶ岳の登りで出会った山岳パトロールの人達がやってきた。

体の大きな隊長らしい人が「あなた達何処まで行くの」と聞くので「ゆっくり降りて鑓温泉泊まりです」と返事する。

そうすると安心したように「それが良い、安全第一だからね」

どうも私たちが猿倉まで降りようとしてるかと心配したらしい。

此処からだと距離的には十分猿倉まで降りることが出来そうだが、

実際は6~7時間掛かるので途中で急いで事故を起こす心配があるからだろう。

更に「鑓温泉までの道は北アルプスで一番遭難事故の多い所だ。去年は7件もあった。

雪渓や岩場は足下を見て事故の無い様に注意しなさい。」

「鑓温泉が見えても安心せずに気を付けて降りなさいよ」

まるで幼稚園の子供に言うようだ。

彼らからすると私たちは年寄りであぶなかしくって放っておけないようだ。



不明の白い花とミネズオウ



チングルマやキバナノコマノツメも元気いっぱい



左はヒメクワガタ

右はハクサンボウフウ?



ミヤマキンポウゲとコイワカガミ



鑓温泉への下りは12日まで積雪のため通行止めとなっていた。

13日に通行可となったがまだ整備は十分でないかも知れない。

更に下って行くと雪渓を渡っている人達が見える。

何故かとても手間取っているようだ。

アイゼンを付けて雪渓に踏み入ると雪が柔らかくてアイゼンの歯が効きにくい。



白馬鑓ヶ岳の方を見上げると雪渓がずっと続いている。

いつの間にかガスが出てきた。



雪渓を渡りきると雪が溶けたばかりのような開けた所に出る

鮮やかなコイワカガミに混じって可憐なハクサンコザクラが風に揺れている。

遠くでポツンポツンと咲いているので24倍ズームでもなかなかうまく写せない。



薄いピンクのコイワカガミもハッとする美しさがある。

アオノツガザクラも多い

暑くなりジャケットを脱いで一休み



左はノウゴウイチゴ

9月に真っ赤な実を付ける。

ふと見るとハクサンコザクラが直ぐ近くに沢山咲いている。

花弁が細くて可愛いなあ。



ピンクのショウジョウバカマも綺麗だ



また雪渓になる。

硫黄の匂いが漂ってくる。

温泉が近いぞ。



6本爪のアイゼンでも滑りまくってスケートをするようにして進む。

4本爪のアイゼンの人達が滑って尻餅をつきそのまま尻セードで滑っているがスピードが出すぎて転げたりしている。

お年寄りの女性が尻セードで降りたが途中でストックを落としてきたと困っている。

旦那さんもかなり疲れて座り込んでいる。

後から来る人が拾ってくれるまで待つと言っていた。

対岸に着くと父娘が折れ曲がったストックを直していた。

二人とも雪渓で転んでストックが曲がったようだ。

伝言ゲームで此処からストックを仕舞うように前の人から言われたようだ。

私達もアイゼンを外しストックをリュックに仕舞う。

次の人が来るまで待ってまた伝言をしてスタート。



ゴゼンタチバナが咲いていた。

事故が多いと言われる岩場に着く

決して鎖を離しては駄目だ。滑ると遙か下まで落ちて怪我をするとあらゆるレポートに書いてあるので心配していた。



確かに滑りやすい岩場だが、距離的にはほんの少しの区間だ。しかも足場は広くてかなりゆとりがある。

二ッ岳の濡れた岩場などに比べるとあっけない。

しかし油断すると危険なので確りと鎖を掴んで降りる。



その危険な岩場を振り返って見る。



キヌガサソウが初々しい

雪解けの後、補修されていないのかかなり痛んでいる。



急坂を下りきった所にシラネアオイが咲いていた。

花期の早い花なのでもう花は散っていると思っていたが今年は雪が多いのでまだ綺麗な花を咲かせていた。

私達は初めての出会い。

このルートを降りてきて良かったと二人で大喜び。

焦げ茶の濃い花のエンレイソウもあった。



更に降りていくとシラネアオイが所々に群生している。

盗掘で絶滅の危機だと聞いていたが随分沢山咲いているのに驚いた。



サンカヨウもも沢山咲いているが足下が悪いので気を付けて下って行く。



タケシマランやベニバナイチゴも咲いている



霞んではいるが鑓温泉が見えだした。

鑓温泉が見えてからも気を付けろと言われていたことを思い出す。

尖った花弁に特徴のあるハクサンチドリが咲いていた。



マイヅルソウやカラマツソウも花の盛り



ニッコウキスゲが遠くに咲いていた

夏道は通行止めで、また雪渓に出る。



雪渓は落石が多い。

それも今落ちてきたばかりのような岩の間を下って行く。

怖いなあ!

家内が急いで通り過ぎようとして足を滑らして転んだ。

二回転ぐらいして止まったがストックが遙か下まで滑っていった。

慎重に降りて行くと温泉を通り過ぎてしまいそうになった。

左へと登り返して赤紐の所から登山道に戻る。

歩いてきた雪渓を振り返る。



登山道を少し下るとやっとの事で白馬鑓温泉着

13時丁度着

鎗温泉分岐からなんと3時間も掛かってしまった。

途中で追い越した人達はまだ着かない。



チェックインすると予約していたのがダブルブッキング

なんだかんだで、一号館の上段の8人用の場所に4人で泊めていただくことになった。

とりあえず荷物を仕舞って温泉に行く。

女性は鍵付き扉の専用風呂



私は混浴露天風呂

先客は一名だけ



硫黄の匂いがするが、無色透明な硫化水素泉であり綺麗に透き通って見える。

2100mの所から湧いているという源泉からはドバドバと凄い勢いで湯が流れ落ちてくる。

あふれた湯はそのまま流れ落ちている。



そのうち一人になりゆっくりと秘境の湯を楽しむ。

湯船は深く首まで浸かることが出来るが湯温が少し高いため、段に腰掛け上半身を出してゆっくり出来るようになっている。

そうすると目の前に妙高山等の信越国境の山並みが見渡せる。

まさに仙人にでもなった気分となり雲上の神泉を心ゆくまで楽しむことが出来る。



湯船の横には立派な脱衣場があるが湯船の下は足湯とテント場で丸見え。

実は湯船の上はアシズが張ってあるが隙間からも丸見え。

19時半から20時半までは女性専用となる。



湯から上がってビールを飲んで極楽極楽

突然大声がして長野放送のテレビカメラのスタッフがやってきた。

湯船にいた一人の男性は女性キャスターに色々聞かれている。

取材が終わったら直ぐに大柄な若い女性が二人降りていったと思うと超ビキニで登場

混浴だから不思議は無いがドキッとする。

秘境の湯に美女とはテレビみたい。

取材の終わっていたテレビクルーが慌ててカメラを持って取材に飛んでいった。



温泉の庭にはオオバミゾホウヅキとスダヤクシュなどが沢山咲いていた。



青空となり下ってきた雪渓が美しく見える。

宿舎の前にはベンチが作られていて東の山並みを見ることが出来る。



目の前には妙高山や高妻山等の戸隠連峰が連なっている。



夕食でまた500ミリの缶ビール。

同室の蕨市から来られたマキちゃん父娘と山の話などしているうちに8時前には寝入ってしまった。

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